評者は出版者社「荒蝦夷」代表の土方正志氏。
「1948年執筆の本作が第一作なのだから、そうか、ここから全てが始まったのかと、若き日
のレムの気迫と凄味に圧倒される思い」
「21世紀の戦争への思索の深さと洞察の鋭さが光って、本書はこれからのレムを語るのに
欠かせない1冊になりそうだ」
スタニスワフ・レム/関口時正 訳
定価 3,024円(本体価格2,800円)
レムはここから始まった――ナチスによって占領された病院を舞台に、
苦闘する青年医師の姿を描いた処女長篇と、レムの面目躍如ともいう
べき架空の歴史書の書評とでおくる、レムの出発点と到達点。
人間と地球外存在との遭遇をテーマに世界のSFの新たな地平を切り開いたポーランドの
作家スタニスワフ・レム。サイバネティクス、量子力学から、進化論や言語学などの最
先端の理論をふまえて構想され、SFのみならず、現代文学のあり方を模索しながら数々
の傑作を世に問うてきた作家の代表作を集成し、その全貌に迫るファン待望の作品集。