ミステリマガジン11月号で『引き潮』が紹介されました。
評者は書評家の若林踏氏。
「冒険物語と称したが、本書はむしろ犯罪小説と呼ばれる物語群の匂いが濃厚な作品」
「どん底にいる人間たちが這い上がる手段として、葛藤の末に犯罪行為に身を投じていく。
そこには冒険への躍動感というより、悪事でのし上がる昂揚感が宿っている」
「本書を愛読した作家にチェスタトンやボルヘスがいるというが、確かに本書には単なる
海洋冒険ものとは括れない、奇妙な味わいが詰まっている」
R・L・スティーヴンスン+L・オズボーン/駒月雅子 訳
定価 2,700円(本体価格2,500円)
南太平洋タヒチの浜辺にたむろする三人の食い詰め男が、
天然痘発生で欠員が出た貿易船の乗組員に雇われる。三人
は船の乗っ取りを企むが、船内には驚くべき秘密が......
『宝島』の文豪が義息と合作した海洋冒険小説。本邦初訳。