「村野藤吾建築設計図展 村野藤吾とクライアントー近鉄の仕事を通して」開催
村野藤吾(1891-1984年)は戦前から戦後にかけて多数の建築作品を遺しましたが、その中には同じクライアント
(施主)から継続的、断続的に設計を依頼されたものが多数含まれています。大阪や東京を拠点とする大企業が
長年に渡って村野のクライアントととなり、豊かな建築作品を支えました。
代表的な企業として中山製鋼所、湯浅伸銅、大丸(現・大丸松坂屋百貨店)、高島屋、大阪商船(現・商船三井)、
川崎造船所(現・川崎重工業)、西武鉄道などが挙げられます。しかし中でも、戦前から戦後にかけて約50年間に
渡って村野にとっての特別なクライアントであり続けたのが、近鉄(近畿日本鉄道)です。
その仕事は本社ビルや鉄道駅、百貨店、ホテル、劇場、映画館、住宅など、多岐に渡っています。多数の来場
客を迎える都市的な施設が多く、その建築空間には、いかにクライアントの要求に答えいかに来場客をもてなすか、
という難しい課題に対する村野の回答が表現されていると言えます。
今回の展覧会では、近鉄を事例として取り上げながら村野とクライアントの関係に焦点を当て、ひいては「近代建
築とクライアント」という、これまで見過ごされてきた大きなテーマについて考えるための契機にしたいと思います。
現存する作品を撮り下した現況写真を含めて、原図や模型などの資料を通して、村野藤吾の世界の一端に触れて
いただければ幸いです。(美術工芸資料館 公式HPより)
◆開催期間:2017年3月21日(火)~2017年6月10日(土)
◆会場:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町
TEL.075-724-7924
地下鉄烏丸線松ヶ崎駅下車徒歩8分
◆休館日:日曜日、祝日
◆開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
◆入館料:一般200円、大学生150円、高校生以下無料
京都工芸繊維大学 美術工芸資料館 公式HP
☆公式書籍 4月刊行予定☆
京都工芸繊維大学美術工芸資料館/村野藤吾の設計研究会 編
定価 4,320円(本体価格4,000円)
村野藤吾建築の特性を代表的企業クライアント「近鉄」との関係性とその図面資料から解読。
サミット開催で注目された日本を代表するリゾートホテル《志摩観光ホテル》のプランニングなど、
貴重な資料と新事実多数を紹介。