朝日新聞1/8付で『狂気の巡礼』が紹介されました。
評者は劇作家・演出家の宮沢章夫氏。
「小説がもたらす魅力、あるいは小説的な怖さの大きな要素の一つに、「描写」があるだろう。
グラビンスキもまた、(中略)こうした描写、そして文体の不穏さで読む者を奇妙な世界に引き入れる」
「実体のないものを小説にする術に長けた作家の一人」
「私が心地よいと感じたのは、文体から匂いが漂ってくるからだ。爽やかな香りではない。「領域」に
ずっと漂う陰鬱な気配も匂いに通じるが、だからこそより小説の求心力になる。そのことが魅力だ」
ステファン・グラビンスキ/芝田文乃 訳
定価 2,916円(本体価格2,700円)
日常に侵された脳髄を搔きくすぐる、名状しがたい幻視と惑乱。
冥境から降り来たる歪形の奇想。ありふれた想像を凌駕する超
越的感覚と神経症的筆致で描く14の短篇。類なき怪奇幻想小説、
待望の邦訳。