『狂気の巡礼』の評者は書評家の杉江松恋氏。
「グラビンスキは同時代の表現者たちとは交流せず、自分の世界の内奥を覗くことに
徹し続けたという。(中略)他と孤絶した環境で自分だけの聖域を追い求めながら書
き続けたのだろう。」
「全作品に彼の心象風景が投影されていると感じた。それは幽冥の境のように薄暗く、
かつ血腥い瘴気に満ちている」
ステファン・グラビンスキ/芝田文乃 訳
定価 2,916円(本体価格2,700円)
日常に侵された脳髄を搔きくすぐる、名状しがたい幻視と惑乱。冥境から
降り来たる歪形の奇想。ありふれた想像を凌駕する超越的感覚と神経症
的筆致で描く14の短篇。類なき怪奇幻想小説、待望の邦訳。
『人形つくり』の評者は怪奇文学研究家の中島晶也氏。
「英国幻想文学史上に妖花というべき独自の地位を占めるサーバン」
「現実と幻想が判然としないまま目眩くように交錯する果てに、合理的解釈では決して
埋めきれない間隙を突きつける結末は、ほとんど生理的な域にまで高められた戦慄で
読者を鷲摑む」
「心理主義的な怪異表現の、一つの極致」
サーバン/館野浩美 訳
定価 2,592円(本体価格2,400円)
新海外文学シリーズ〈ドーキー・アーカイヴ〉第1弾!独特のエロティシズム
と精緻な文章で綴られた、徹底した被支配関係から生じる恍惚と恐怖......
謎の英国作家サーバンによる戦慄の幻想譚を2篇収録。本邦初訳。