週刊朝日1/30号で『谷中安規 モダンとデカダン』が取り上げられました。
評者はドイツ文学者、エッセイストの池内紀氏。
「何よりもうれしいのは(中略)一歩一歩着実に才能を開花させていった筋道を、
きちんとあとづけたことだろう。」
「随所に引かれた手紙やエッセイからも読みとれる。とぼけたようでいてこまかく
神経がとおっており、ノンキなようでいて、その言葉と行動にはひそかな反骨精
神と時代批判がこもっている。」
「幻想的な作風の細部には、新しい時代に登場した乗り物、衣服、モードが独特の
変形をおびて使われている。イメージが変化をかさねながら、最終的な形をとる
までのプロセスこそ、この謎の多い画人のまことの伝記にちがいない。」
瀬尾典昭/山田俊幸/辺見海 編
定価 4,860円(本体価格4,500円)
大正・昭和のモダン都市東京を放浪し、特異な版画作品を
数多く残した〈風船画伯〉谷中安規の全貌をかつてない規
模で集成。新発見の作品も収録した決定版画集! 内田百閒、
佐藤春夫らが愛した奇人版画家の知られざる姿が蘇る。