日本を代表する建築家の精髄を公開!
第12回村野藤吾建築設計図展
「都市を形づくる村野藤吾のファサードデザイン」展開催中
村野藤吾(1891年~1984年)の建築家としての仕事を振り返るとき、
その主軸をなすものの一つに、都市の街角の表情を形づくる建物として、
オフィスビルや銀行、商業ビルや百貨店といった一連の作品群があることに気がつかされます。
それらの建物は、その街のランドマーク的な存在として、長い時間にわたって人々に親しまれてきたものです。
またいずれの建物も、村野独自のデザインが施された、独特の雰囲気を醸し出してもきました。
しかし、残念なことに、近年の激しい都市再開発の影響もあって、こうした高い価値をもつ
村野の建築が次々と取り壊しの危機を迎えていることも事実です。
すでに、初期の代表作であるそごう大阪本店(1933年)や、戦後の大作の一つである
新ダイビル(1958年)などが取り壊されて姿を消し、大阪新歌舞伎座(1958年)も、
現在閉鎖されたままの状態になっています。
こうした中、あらためて村野が都市に何をもたらそうとしたのか、
その独自のファサードデザインと形態操作にどのような意図が込められていたのか、を確認することは、
建築が都市に何をできるのか、良好な都市景観はどのようにすれば守り育てることが可能なのか、
など、建築と都市の明日を考える上での貴重な手がかりを与えてくれることでしょう。
そこで、本展では、村野藤吾が都市の中で試みた大小21件の建築作品を取り上げて、
端正で格調の高いデザインに込められた建築思想の在りかを確かめてみたいと思います。
現存する作品を撮り下した現況写真も含め、原図や模型などの資料を通して、
是非、村野藤吾の世界の一端に触れてください。
★国書刊行会より2月刊行の『村野藤吾のファサードデザイン─図面資料に見るその世界─』も
会場にて販売予定
◆会期 平成25年2月4日(月)~平成25年5月6日(月)
◆開館時間 10時~17時(入館は16時30まで)
◆休館日 日曜・祝日・2月25日(火)・26日(水)、3月12日(火)・13日(水)
※ただし、4月28日(日)から5月6日(月)までの間は開館します。
◆会場 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
京都市左京区松ヶ崎橋上町
TEL 075-724-7924
FAX 075-724-7920
◆入館料 一般200円、大学生150円、高校生以下無料
京都工芸繊維大学美術工芸資料館/
村野藤吾の設計研究会 編
定価 3,990円(本体価格3,800円)
村野藤吾作品の主軸のひとつである、
都市の街角を形づくるビルディング、
劇場などのランドマーク的建築群に込められた
独特の思想のありかを、遺された貴重な設計図を
もとに読み解く。初公開資料多数収録。