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書籍詳細

オオツジキヨジシャシンシュウセイ

大辻清司写真集成

大辻清司 写真
増田玲 編著
畠山直哉レーナ・フリッチュ 執筆

発売日
2024/07/24
判型
A4変型判
ISBN
978-4-336-07653-3
ページ数
308頁

定価 13,200円(本体価格12,000円)

※在庫あり

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内容紹介

高梨豊や牛腸茂雄、畠山直哉ら多くの後進を育てた教育者として、あるいは実験工房や具体美術協会など同時代の芸術家たちとの交流や旺盛な執筆活動でも知られる大辻清司(1923-2001)。シュルレアリスムなど20世紀芸術への深い理解にもとづく実験的な作品で早くから注目を集めたものの、その後自ら積極的に作品をまとめることの少なかった彼の写真の仕事の全貌を、1970年代に写真雑誌に連載された「実験室」シリーズから、近年評価の高まるスナップショットまで、全5章構成で俯瞰する初めての写真集。近年の研究成果を踏まえ、遺族の協力のもと刊行する決定版。

◆特別仕様による600部限定出版。
(シリアルナンバー入り。ナンバーの指定はできかねますので、あらかじめご了承下さい。)

著者紹介

大辻清司 (オオツジキヨジ)

1923年東京生まれ。戦後の前衛的な芸術運動の中でそのキャリアをスタートさせ、シュルレアリスムなど20世紀芸術への深い理解にもとづく実験的な作品を発表して、早くから注目される。1950年代には前衛芸術グループ「実験工房」や「グラフィック集団」に参加。また同時代の芸術活動の膨大なドキュメントを撮影した。教育者としては、桑沢デザイン研究所、東京造形大学、筑波大学、九州産業大学などで教鞭を取り、高梨豊、牛腸茂雄、畠山直哉ら多くの後進を育て、また70年代から80年代にかけて多くの文章を写真雑誌に寄稿するなど、多面的な業績を残した。主な著作に『写真ノート』(美術出版社、1989年)など。2001年に逝去。享年78。

増田玲 (マスダレイ)

東京国立近代美術館主任研究員。1968年兵庫県神戸市生まれ。筑波大学大学院地域研究研究科修了。1992年より東京国立近代美術館に勤務。担当した主な展覧会に「大辻清司写真実験室」(1999年)、「ドイツ写真の現在」(2005年)、「高梨豊 光のフィールドノート」(2009年)、「鈴木清写真展 百の階梯、千の来歴」(2010年)、「奈良原一高 王国」(2014年)、「トーマス・ルフ」(2016年)などがある。

畠山直哉 (ハタケヤマナオヤ)

写真家。1958年岩手県陸前高田市生まれ。1997年木村伊兵衛写真賞受賞。2000年毎日芸術賞受賞。2001年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示「fast and slow」に参加。2011年「Natural Stories」展(東京都写真美術館)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2012年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示「ここに、建築は、可能か」に参加(国別参加部門金獅子賞受賞)。2015年紫綬褒章。国内外を問わず数多くの展覧会を開催・参加するほか、作品は東京や大阪、京都の国立美術館をはじめ、MoMA, TATE, V&A, ヨーロッパ写真館など、世界主要都市の美術館に収蔵されている。著書に『Lime Works』(青幻舎、1996/2007年)、『Underground』(メディアファクトリー、2000年)、『話す写真』(小学館、2010年)、『気仙川』(河出書房新社、2012年/フランス語版=Light Motiv、2013年)、Naoya Hatakeyama, Aperture, 2018などがある。

レーナ・フリッチュ (レーナフリッチュ)

オックスフォード大学アシュモレアン美術博物館近現代美術キュレーター、写真研究者、翻訳家。ドイツのケルン生まれ。ボン大学にて博士号(美術史)取得。また慶應義塾大学に留学。テート・モダン、ベルリン国立美術館のキュレーターを経て現職。オックスフォード大学、ロンドンのヴィクトリア&アルヴァート博物館、SOAS(ロンドン大学東洋アフリカ学院)などで日本の美術・写真を教える。森美術館の「六本木クロッシング2022展」のコーキュレーター。著書にYasumasa Morimura’s Self-Portrait as Actress: Überlegungen zur Identität(VDM Verlag Dr. Müller,2008); The Body as a Screen: Japanese Art Photography of the 1990s (Georg Olms, Hildesheim, 2011); Tales of Tono, Moriyama Daido (English edition, D.A.P., 2012; Ravens & Red Lipstick: Japanese Photography Since 1945 (Thames & Hudson, 2018), Tokyo: Art & Photography (Ashmolean Museum, 2021).

目次

大辻清司の作品世界とこの写真集の構成について(増田玲)
The World of Otsuji Kiyoji’s Work and the Structure of This Photo Book (Masuda Rei)

Ⅰ モノ・存在・その意味へ Things, Existence, and Their Significance
Ⅱ スナップショットの愉しみ The Pleasure of Snapshots
Ⅲ 写真実験室 Laboratory of Photography
Ⅳ 表現をめぐって On Expression
Ⅴ エピローグ:やがて春 Epilogue: Spring Comes Around

<論考・エッセイ>
大辻先生(畠山直哉)
My Master, Otsuji (Hatakeyama Naoya)
実験的で、演劇的で、謎に包まれた―大辻清司の写真(レーナ・フリッチュ)
Experimental, Theatrical, Underexplored ―Otsuji Kiyoji’s Photography (Lena Fritch)

大辻清司略年譜
A Otsuji Kiyoji Chronology

主要展覧会
主要著作物