書籍詳細
ソウショクノユメトテンセイ:セイキマツテンカンキヨーロッパノアールヌーヴォー
装飾の夢と転生:世紀転換期ヨーロッパのアール・ヌーヴォー 第一巻
イギリス・ベルギー・フランス編
- 発売日
- 2022/10/20
- 判型
- A5判
- ISBN
- 978-4-336-07421-8
- ページ数
- 436頁
定価 5,280円(本体価格4,800円)
内容紹介
人は装飾にどんな〈夢〉を見たのか――
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパ各地で展開されたアール・ヌーヴォーなどの装飾芸術の動向を、つくり手とパトロン、援助者、メディア、同時代文学との関係からとらえ直した論考集。
著者紹介
白田由樹 (シラタユキ)
大阪公立大学大学院文学研究科教授。博士(文学)
[専門分野]十九世紀末のフランス語圏文化、ジェンダーおよびエスニシティ表象。
[主要業績]著書:『サラ・ベルナール——メディアと虚構のミューズ』(大阪公立大学共同出版会、2009年)。翻訳:『マルペルチュイ ジャン・レー/ジョン・フランダース怪奇幻想作品集』(共訳、国書刊行会、2021年)。
辻昌子 (ツジマサコ)
大阪公立大学大学院文学研究科都市文化研究センター研究員。博士(文学)
[専門分野]十九世紀末フランスのジャーナリズム文学、ジャン・ロラン研究。
[主要業績]著書:『「ジャーナリスト作家」ジャン・ロラン論——世紀末的審美観の限界と「噂話の詩学」』(大阪公立大学共同出版会、2013年)。翻訳:カチュール・マンデス『童貞王』(共訳、国書刊行会、2015年)。
杉山真魚 (スギヤママオ)
岐阜大学教育学部家政教育講座准教授。博士(工学)
[専門分野]建築論、住居学、日英の近代建築に関する思想史。
[主要業績]著書:『建築制作論の研究』(共著、中央公論美術出版、2016年)、『分離派建築会―日本のモダニズム建築誕生』(共著、京都大学学術出版会、2020年)。
小田藍生 (オダアオイ)
ブリュッセル自由大学建築学部博士後期課程。旧ベルギー政府奨学生。
[専門分野]十九世紀末ベルギーの建築・デザイン史、ヴィクトール・オルタ研究。
[主要業績]著書:『魅惑のベルギー美術』(共著、神戸新聞総合出版センター、2013年)。論文:「都市の記憶——ブリュッセルのアーカイブズ」(『建築雑誌』、2018年)他。翻訳:『アートに生きた女たち』(共訳、名古屋ボストン美術館展覧会図録、2013年)。
貴重書を専門とするブリュッセルのオークション会社に勤務していた経験も。
平光文乃 (ヒラミツアヤノ)
大阪大学大学院人文学研究科助教。博士(文学)
[専門分野]世紀転換期のフランス文学・文化、マルセル・プルースト研究。
[主要業績]著書:Ayano Hiramitsu, Les Chambres de la création dans l'œuvre de Marcel Proust, Édition Honoré Champion, 2019. 論文:「『失われた時を求めて』の部屋の描写における無意志的記憶と挿話的レミニサンス」(『ステラ』、2020年)他。
中島廣子 (ナカジマヒロコ)
大阪市立大学名誉教授。博士(文学)
[専門分野]フランス世紀末文学、幻想文学。
[主要業績]著書:『「驚異」の楽園』(国書刊行会、1997年)、『フランス幻想文学の総合研究』(共著、国書刊行会、1989年)、『フランス名句辞典』(共著、大修館書店、1991年)他。翻訳:カチュール・マンデス『童貞王』(共訳、国書刊行会、2015年)、エレミール・ブールジュ『落花飛鳥』(国書刊行会、1993年)、『神々の黄昏』(共訳、白水社、1985年)、マルセル・シュネデール『フランス幻想文学史』(共訳、国書刊行会、1987年)。
目次
第一章 ウィリアム・モリスの両義性とアーツ・アンド・クラフツ運動 杉山 真魚
第二章 ベルギーにおけるアール・ヌーヴォーの発展土壌 白田 由樹
第三章 オルタの総合デザインと顧客層 小田 藍生
第四章 ヴァン・ド・ヴェルドの「新しき芸術」論と原始性志向 白田 由樹
第五章 世紀末フランス文学におけるエステットとコレクター像 辻 昌子
第六章 S・ビングとフランス式「アール・ヌーヴォー」の創成 白田 由樹
第七章 エルネスト・ボスクの『美術骨董事典』にみるコレクションの大衆化 辻 昌子
第八章 アンリ・ド・レニエ『真夜中の結婚』にみる一八九〇年代の創造と蒐集 辻 昌子
第九章 マルセル・プルーストの作品における室内装飾と芸術創造 平光 文乃
第十章 フランス世紀末の装飾趣味と文学のアール・ヌーヴォー 中島 廣子
コラム1 アール・ヌーヴォー建築の発祥地ブリュッセル 小田 藍生
コラム2 応用芸術と装飾スタイルの普及と交流 白田 由樹