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書籍詳細

ムラカミハルキトスペイン

村上春樹とスペイン

小阪知弘

発売日
2017/03/17
判型
A5判
ISBN
978-4-336-06142-3
ページ数
248頁

定価 3,960円(本体価格3,600円)

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内容紹介

現代スペイン絵画、スペイン内戦、『ナイト・トーキョー・デイ』――さまざまな視座から、村上春樹が自ら紡ぎ出す作品世界のうちに投影してきたスペイン語とスペイン文化の諸相へとフォーカスを定め肉薄する、最先端の論考。村上春樹の作品世界内に機能するスペイン的なるものとはいったいどのようなものなのか?

著者紹介

小阪知弘 (コサカトモヒロ)

1976年兵庫県生まれ。関西外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。スペイン政府給費生として、スペイン国立サラマンカ大学大学院博士課程に入学。スペイン国立サラマンカ大学大学院博士課程修了。スペイン国立サラマンカ大学文学博士(Doctor en filología hispánica por la Universidad de Salamanca)。現在、南山大学准教授。専攻、現代スペイン演劇、スペイン映画、比較文学。
著書に、『ガルシア・ロルカと三島由紀夫 二十世紀 二つの伝説』(国書刊行会、2013年)、『村上春樹とスペイン』(国書刊行会、2017年)、訳書に、『現代スペイン演劇選集Ⅲ』(カモミール社、2016年、共訳)などがある。

目次

序章 スペインに想いをはせる村上春樹
第一章 スペインへの憧れ 村上春樹によるスペイン訪問
 1 スペイン文化に惹かれる若き日の村上春樹
 2 村上春樹によるスペイン訪問(二〇〇九/二〇一一)
第二章 春樹文学におけるスペイン語とスペイン文化の呪術的機能
 1 理論的前提
 2 スペインにおける春樹文学の受容
 3 スペイン語の諸機能
 4 村上春樹とスペイン語学習の関連性
 5 転回点としてのスペイン語学習
 6 スペイン語話者と二つの位相
 7 呪術的仲介者としての日本人スペイン語熟達話者
 8 スペイン語母語話者の呪術的機能
 9 スペイン音楽の呪術的機能
 10 結論
第三章 春樹文学におけるスペイン絵画とスペイン史の諸機能
 1 スペイン現代絵画の諸機能
 2 ピカソ絵画が担う三つの機能
 3 現前化するダリ的時計世界
 4 スペイン内戦(一九三六―一九三九)の諸機能
第四章 イサベル・コイシェの映画における春樹文学の影響――『ナイト・トーキョー・デイ』(二〇〇九)をめぐって――
 1 イサベル・コイシェ 人と作品
 2 『ナイト・トーキョー・デイ』(二〇〇九)
 3 現代日本文学の影響
 4 吉本ばななの影響 『キッチン』(一九八七)
 5 谷崎潤一郎の影響 『陰翳礼讃』(一九三三)
 6 三島由紀夫の影響 『天人五衰』(一九七〇)
 7 村上春樹の影響
 8 『パリ・ジュテーム』に投影された春樹作品『スプートニクの恋人』(一九九九)
 9 バルセロナにおけるコイシェと村上春樹の邂逅(二〇〇九)
 10 『スプートニクの恋人』(一九九九)の影響
 11 『ノルウェイの森』(一九八七)の影響
 12 東京あるいは孤独の都市
 13 二つの死をめぐる喪失から再生に向かう物語
 14 『アフターダーク』との類似
 15 『1Q84』のヒロイン青豆との類似――拳銃を組み立てる美しき女性暗殺者
 16 結論
第五章 スペインを愛する二人の日本人作家――村上春樹と三島由紀夫――
 1 スペイン風の白壁への愛着
 2 スペイン諸都市への愛着
 3 スペインの道への愛着
 4 スペイン語への愛着
 5 闘牛観
 6 ピカソとダリをめぐるスペイン現代絵画観
 7 ピカソ絵画観
 8 ダリ絵画観
 9 作品世界内におけるスペイン文化の諸機能
 10 ガルシア・ロルカ観
 11 結論
最終章 死者に祈りを捧げる文学
 1 海岸線の街――芦屋と神戸そしてバルセロナ
 2 言語の三角形という磁場
 3 自然と共鳴する詩的宇宙
 4 死者に祈りを捧げる文学

付録一 スペイン語に翻訳された村上春樹作品一覧(翻訳された年代順に表記)
付録二 スペイン語版村上春樹作品を訳出した翻訳者へのアンケート――アンケート解答者 ガブリエル・アルバレス・マルティネス(スペイン人男性・ガリシア地方出身) 
参考文献
図版出典
あとがき
書名索引(文学作品、文芸雑誌、論文、新聞、絵画、楽曲)
人名索引