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ゾクゾウキョウカイダイ
続蔵経解題
河村孝照 編著
発売日 2023/12/25
版型 B5判/上製函入 / ISBN 978-4-336-07604-5
ページ数 467 / Cコード C0015
価格 24,200円 (本体価格22,000円)
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【本書の特徴】
●日本仏教の源流・中国仏教典籍を網羅した一大叢書『続蔵経』。その新纂にあたり編纂主任を務めた著者が、全1671経典中、330経典について解題を付した、『続蔵経』研究の最良の手引書。
●『新纂大日本続蔵経』に収録した新発見の経典である、唐・浄眼『因明入正理論略抄』『因明入正理論後疏』の解題も収録。
●各経典には、『大正新脩大蔵経』『卍続蔵経』『新纂大日本続蔵経』『台湾本卍続蔵経(CBETA)』の識別記号を記載。また各経典の著者と著作年代についても特記した。
●読者の便に供するため、「本書収録経典の『新纂大日本続蔵経』配列順索引」と「五十音順経典名索引」を収録した。
〈『新纂大日本続蔵経』について〉
『新纂大日本続蔵経』全90巻の旧版『大日本続蔵経』(蔵経書院刊)は、1905~12年(明治38~大正元)刊行。1902年~05年(明治35~38)に刊行された『卍字蔵経』(『大日本校訂訓点大蔵経』の通称)の続編であるため『卍続蔵経』『続蔵』とも略称される。
『大日本続蔵経』には、『大正新脩大蔵経』に未収録の中国撰述書が収録される。華厳・天台・真言・浄土・法相・律・禅・など各宗の重要典籍をはじめ、他の大蔵経に未収録の貴重文献、新発見の経典(唐・浄眼『因明入正理論略抄』『因明入正理論後疏』等)各宗の碩学・名僧の著作・語録を豊富に収録している。
新纂に際しては、旧版を全面的に整備、新たな研究資料を多数収録し、現代の学問研究に不可欠な①典籍番号②体裁の変更、③欠巻典籍の補充、④新出資料の収録、⑤総目録・総索引を付した、最後の本格的な大蔵経である。
【刊行にあたって 河村孝照】
私は今年(令和5年)5月に百寿を迎え、2ヵ月余の入院・リハビリ生活を終えて帰宅すると、退院を祝うかのように本書の出版決定の朗報が届いた。嬉しい限りである。ここでは、『新纂大日本続蔵経』の新纂事業の概略と、本書の元となった小冊子『続蔵解題』(全13冊)の執筆事情について略記しておく。
周知のように、旧版『卍続蔵経』(蔵経書院版)の最大の泣き所は、学術論文等の典拠として表記する際にややこしい記述を余儀なくされたことであった。『卍続蔵経』は全体が2編に大別され、各套に2段組みの和装本5冊が入る体裁であった。該当頁を示すには、「卍続・一・一八・五・三四丁・表・上」などと表記し、これで、「卍続蔵経、第一篇、第一八套、第五冊、第三四丁、表頁、上段」を意味した。これでは学術研究論文に引用するにしても、索引等を作るにしても、その表記に難渋せざるを得なかったのである。この仕様は、『大正蔵経』の形式に整える必要があった。
そこで『新纂大日本続蔵経』(国書刊行会発行)では洋装本・B5判・3段組に改め、該当頁を、「続蔵⑧二五九a(続蔵経第八巻、二五九頁、上段)」と簡潔明瞭に表示できるように新編纂した。
さらに、新発見の経典(唐・浄眼『因明入正理論略抄』『因明入正理論後疏』)の増補や新機軸を工夫し、昭和48年(1973)から平成元年(1989)まで、16年をかけて全90巻が完結した。
私は新纂作業の主任として、新編纂に当たり各資料の序・跋・刊記・識語等に注目して、各資料の性格を把握するのに便を得ていた。序・跋を読み進むと実に面白い。教義の集約もあれば人物伝もあり、歴史の紹介もあり、執筆の動機もあり、読んでいて飽きない。その面白さを、序文にそいながら紹介できないかと考えたのが本書の出発点である。
こうして私は『続蔵解題』と題して、『新纂大日本続蔵経』の編纂を開始して10年目の昭和58年(1983)に第1冊目を自費制作し、関係者に配布した。幸い好評を得ることができ、あたたかい激励の声を受けた。それに鼓舞されて『新纂大日本続蔵経』完結9年後の平成9年(1997)までに、計13冊を発行した。本書は、『続蔵経解題』と題してその13冊を一書にまとめ、読者の便に供するため配列順、経典名の五十音順索引を新たに付したものである。このたび、私の悲願の一つであった『続蔵解題』が出版される機会を得たことに、感謝するとともに肩の荷の一つを下すことが出来たような深い感慨を覚える。
またここで付言しておかねばならないのは、本書はひとえに『続蔵解題』13冊の小冊子の散佚を防ぐために一書にまとめたもので、『新纂大日本続蔵経』全1671経典中の主要経典など330経典の解題であり、『新纂大日本続蔵経』の全解題ではないことである。『続蔵経』という宝の山にはまだまだ多くの金鉱脈がある。たとえば続蔵経中の人物伝を拾って頂ければ僧伝・仏教史ともなり、宋代以降の資料が蒐集されているのであるから、充分研究に堪えうる。中国仏教、および中国仏教史に手を染められる方は、ぜひ続蔵経の序・跋資料を使っていただきたいし、若き研究者はぜひ研究の金鉱脈を掘り出して、それを世に紹介していただきたいと切に願う。そしていつか若き研究者が続蔵経の全解題を完成させることも望んでいる。本書がそういった、『続蔵経』のあまねく研究の手引書の一つとなれば幸いである。 -
『続蔵解題』【一】隋・吉蔵『華厳遊意』、唐・宗密『円覚経略疏鈔』ほか
『続蔵解題』【二】南宋・観『円覚経鈔弁疑誤』、宋・子璿『楞厳経義疏注経科』ほか
『続蔵解題』【三】宋・子璿『楞厳経義疏注経』、隋・吉蔵『法華統略』ほか
『続蔵解題』【四】唐・浄眼『因明入正理論略抄(新出資料)』、唐・智度『法華経疏義纉』ほか
『続蔵解題』【五】唐・大乗基『金剛経賛述』、不明『涅槃経会疏条箇』ほか
『続蔵解題』【六】隋・慧遠『無量寿経義疏』、清・存吾『金剛経闡説』ほか
『続蔵解題』【七】清・徐槐廷『金剛経解義』、南宋・性澄『阿弥陀経句解』ほか
『続蔵解題』【八】唐・慧浄『般若心経疏』、明・智旭要解、清・達黙造鈔『阿弥陀経要解便蒙鈔』ほか
『続蔵解題』【九】清・続法『阿弥陀経略註』、宋・徳洪造論、宋・正受会合『楞厳経合論』ほか
『続蔵解題』【一〇】明・真鑑『楞厳経正脉疏科』、明・陸西星『楞厳経述旨』ほか
『続蔵解題』【一一】明・伝如『楞厳経截流』、明・智旭『法華経会義』ほか
『続蔵解題』【一二】明・真界『楞厳経纂註』、唐・智厳『楞伽経註』(一部不完)ほか
『続蔵解題』【一三】『楞伽経疏』(不完)、隋・智顗『維摩経文疏』ほか
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索引一 本書収録経典の『新纂大日本続蔵経』配列順索引
索引二 五十音順経典名索引