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東大寺続要録
筒井寛秀 監修
東大寺続要録研究会 編纂・校訂発売日 2013/05/08
版型 A5判/上製函入 / ISBN 978-4-336-05623-8
ページ数 394 / Cコード C3015
価格 13,200円 (本体価格12,000円)
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<概要> 『東大寺続要録』は、平安時代院政期に編纂された東大寺初の寺誌『東大寺要録』を引き継ぎ、鎌倉時代の寺誌として編まれた寺院記録である。撰者は未詳だが、東大寺真言院聖守とする説が有力である。
南都焼討からの伽藍再建の歴史と、中世寺院東大寺のもっとも繁栄した有様とを東大寺僧自らが撰述した歴史書として、東大寺研究の根本史料の一つに位置づけられる。
『続要録』は、中世寺院史研究上の第一級史料で諸方面で利用されてきたものの、唯一の刊本である続々群書類従本に翻刻の誤りが多く、利用上、種々の問題点を抱えていた。
今回、東大寺続要録研究会は、東大寺本『続要録』九冊と東大寺本『要録』巻第二を底本として翻刻し、諸史料による校訂を加えて、『続要録』の全体を広く学界に紹介することとした。
<底本> 底本とした東大寺本は、文明年間書写の九冊で重要文化財に指定されている。現在、大東急記念文庫に聖守自筆と見られる『続要録』断簡四紙が伝えられるのを除くと、東大寺本は『続要録』の全体像を伝える最古の写本といえ、他機関に所蔵される近世写本の祖本に位置する。また東大寺本の『要録』巻第二は、鎌倉時代の寺領の公験を集成した一冊で、『続要録』の一冊とみる説もあるため、合わせ収載している。
<本書の特徴と校注> 本書の体裁は、筒井英俊校訂『東大寺要録』(国書刊行会、昭和四十六年)に準じ、校訂本文に句点・返り点を付し、校訂注を頭注に掲げた。また冒頭に口絵と目次を掲げて、利用者の理解の便を図った。
東大寺本は、『要録』成立から約二百年を経て書写されたものであり、成立当初の体裁を正確に伝えているとは必ずしもいいがたく、すでに東大寺本の書写者が親本の文字を読めないまま転写している例もみられ、確定できない文字も散見する。
今回の校訂に当たっては、六国史等の基本史料のほか、『玉葉』『愚昧記』『勘仲記』等の日記、『公卿補任』『僧綱補任』『東大寺別当次第』等の補任記録、『聖宝僧上伝』等の伝記、『東大寺要録』『東大寺造立供養記』『東大寺八幡験記』『東大寺供養次第』『東大寺勅封蔵目録記』等の東大寺関係記録、東大寺文書のほか、『倶舎論記』『法勝寺御八講問答記』等の聖教類などを広く参照し、あたう限り、『続要録』成立当初の語句の推定に努めた。
<内容> 東大寺本九冊の内訳は、造仏篇・供養篇本・供養篇末・諸会篇本・仏法篇・諸院篇・拝堂篇・寺領章・宝蔵篇となっている。
平氏により焼失した大仏殿以下の伽藍復興の記録を冒頭に置き(造仏篇)、後白河院、源頼朝、後鳥羽院らによる復興記念の供養法会などの次第を詳細に伝える(供養篇本・末)。また鎌倉時代に開催された東大寺の年中行事(諸会篇)、次々と再興・創始される講会(仏法篇)や新設されていく院家(諸院篇)の由緒が克明に書き残されている。さらに、東大寺別當の就任儀式(拝堂篇)や正倉院の開封記録(宝蔵篇)など、他の記録では知ることの出来ない貴重な記事が含まれている。鎌倉時代の寺領についても記載が豊富で(寺領章)、東大寺の社会経済史研究に不可欠の史料となっている。
また東大寺本『要録』巻第二は、鎌倉時代の東大寺領に関する官符・院宣・御教書・寄進状からなり、東大寺の荘園経営の状況を知りうる重要史料である。
本書は、鎌倉時代の東大寺研究に必須の根本史料を初めて校訂したものである。歴史学および国文学、美術史学、建築学、仏教学等、幅広い人文諸科学の分野において、この校訂本の積極的な利用が図られることを乞う。 -
序
東大寺續要錄 造佛篇
東大寺續要錄 供養篇本
東大寺續要錄 供養篇末
東大寺續要錄 諸會篇 本
東大寺續要錄 佛法篇
東大寺續要錄 諸院篇
東大寺續要錄 拜堂篇
東大寺續要錄 寺領章
東大寺續要錄 寶藏篇
東大寺要錄 卷第二