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書籍詳細

12か月の本 10

ジュウガツノホン

10月の本

西崎憲
片山廣子三島由紀夫サキ小山清宮沢賢治稲垣足穂日夏耿之介アントン・チェーホフ 他著
松下裕 他訳

発売日
2025/09/18
判型
B6変型判
ISBN
978-4-336-07743-1
ページ数
280頁

定価 3,080円(本体価格2,800円)

内容紹介

時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――

12か月のうちの〈10月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。
四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。

装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)

著者紹介

西崎憲 (ニシザキケン)

翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。

片山廣子 (カタヤマヒロコ)

歌人、随筆家、翻訳家。一八七八年生。歌集に「翡翠」、随筆に「燈火節」など。松村みね子名義でのアイルランド文学翻訳や芥川龍之介に影響を与えたことでも知られる。一九五七年没。

三島由紀夫 (ミシマユキオ)

小説家、劇作家。一九二五年生。小説に「豊饒の海」、戯曲集に「近代能楽集」など。一九七〇年没。

サキ (サキ)

イギリスの小説家。一八七〇年生。短編の名手として知られ、ブラックユーモアの効いた作風に特徴がある。小説に「レジナルド」「クローヴィス物語」「ウィリアムが来た時」など。一九一六年没。

小山清 (コヤマキヨシ)

小説家。一九一一年生。太宰治に師事し、戦後は北海道の夕張で炭鉱夫として働く。太宰の死後、清廉で素朴な作風の私小説が評価され、作家としての地位を確立する。小説に「落穂拾い」「小さな町」「犬の生活」など。一九六五年没。

宮沢賢治 (ミヤザワケンジ)

詩人、童話作家。一八九六年生。詩集に「春と修羅」、童話に「銀河鉄道の夜」など。一九三三年没。

稲垣足穂 (イナガキタルホ)

小説家。一九〇〇年生。小説に「一千一秒物語」「弥勒」、随筆に「少年愛の美学」「A感覚とV感覚」など。一九七七年没。

日夏耿之介 (ヒナツコウノスケ)

1890年~1971年。 早稲田大学文学部英文学科卒業。母校の教授を務めるかたわら、高踏的で荘重幽玄な神秘主義的象徴詩を発表し、詩壇に重きをなす。翻訳者としては壮麗な雅語を駆使してワイルドやポーを日本語に移し替え、三島由紀夫や澁澤龍彦に多大な影響を与えた。『明治浪漫文學史』と『日夏耿之介全詩集』で日本芸術院賞を受賞。生地の飯田市に日夏耿之介記念館がある。

アントン・チェーホフ (アントン・チェーホフ)

ロシアの劇作家、小説家。一八六〇年生。戯曲に「かもめ」「桜の園」、小説に「犬を連れた奥さん」「可愛い女」など。一九〇四年没。

松下裕 (マツシタユタカ)

ロシア文学者、翻訳家、文芸評論家。一九三〇年生。編訳書に「チェーホフ全集」「中野重治全集」、評伝に「評伝中野重治」など。二〇二〇年没。

目次

町の鑑賞(鏑木清方)
花屋の窓(片山廣子)
十月〔「大和路・信濃路」より一〕(堀辰雄)
孔雀(三島由紀夫)
乖離(高祖保)
馬鈴薯からトマト迄(石川三四郎)
縫いぐるみの熊のための書(アンドレ・マルロー/堀田郷弘訳)
髪の話(魯迅/竹内好訳)
父の消防入り(ブルーノ・シュルツ/工藤幸雄訳)
開いた窓(サキ/中村能三訳)
ある娘の日記から(アントン・チェーホフ/松下裕訳)
落穂拾い(小山清)
ウェイクフィールド(ナサニエル・ホーソーン/酒本雅之訳)
十月のノクタアン(北園克衛)
十月の末(宮沢賢治)
星は北に拱く夜の記(稲垣足穂)
イギリスの秋に寄す(吉田健一)
謎(ウォルター・デ・ラ・メア/柿崎亮訳)
書棚(日夏耿之介)
私の机(岡本綺堂)
文鳥(夏目漱石)
雨の宿(岩本素白)
十月〔「大和路・信濃路」より二〕(堀辰雄)
青頭巾(上田秋成/西崎憲翻案)
 跋 遠方の十月(西崎憲)