書籍詳細
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内容紹介
時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――
12か月のうちの〈6月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。
四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。
装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
著者紹介
西崎憲 (ニシザキケン)
翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。
谷崎潤一郎 (タニザキジュンイチロウ)
小説家。一八八六年生。著作に「春琴抄」「細雪」「陰翳礼讃」
など。一九六五年没。
北園克衛 (キタゾノカツエ)
詩人、写真家、デザイナー。一九〇二年生。日本を代表するモダニズム詩人であり、前衛詩人として国際的にも著名。詩集に「若いコロニイ」「火の菫」など。前衛詩運動の代表誌「VOU」などを主宰した他、装幀や挿画を手掛けた誌書も多数ある。一九七八年没。
安部公房 (アベコウボウ)
小説家、劇作家、演出家。一九二四年生。小説に「壁」「砂の女」など。一九九三年没。
岡本かの子 (オカモトカノコ)
小説家、歌人、仏教研究家。一八八九年生。与謝野晶子に師事し新詩社に参加。漫画家の岡本一平は夫、芸術家の岡本太郎は長男。小説に「老妓抄」「生々流転」など。一九三九年没。
泉鏡花 (イズミキョウカ)
小説家。一八七三年生。小説に「高野聖」「草迷宮」「歌行燈」など。一九三九年没。
北原白秋 (キタハラハクシュウ)
詩人、歌人。一八八五年生。詩集に「邪宗門」、歌集に「桐の花」など。一九四二年没。
岡本綺堂 (オカモトキドウ)
劇作家、小説家。一八七二年生。新歌舞伎運動に加わり、戯曲「修善寺物語」などを発表した。小説に「半七捕物帳」「玉藻の前」など。 一九三九年没。
アルチュール・ランボー (アルチュール・ランボー)
(Arthur Rimbaud)フランスの詩人。一八五四年生。詩集に「酔いどれ船」「地獄の季節」など。一八九一年没。
中原中也 (なかはらちゅうや)
詩人、歌人、翻訳家。一九〇七年生。詩集に「山羊の歌」「在りし日の歌」など。一九三七年没。享年三一(満三〇歳)。
目次
雨後(堀辰雄)
恐怖(谷崎潤一郎)
縦むすびのほどきかた(西崎憲)
詩篇(北園克衛)
夏の室
赤い縞のあるバラッド
棒(安部公房)
ワシントン将軍の黒人従者 伝記的素描(マーク・トウェイン/柴田元幸訳)
可愛い山(石川欣一)
霧を消す話(中谷宇吉郎)
六月(茨木のり子)
山の中の村(フーゴー・フォン・ホーフマンスタール/小堀桂一郎訳)
一つの出来事(宮本百合子)
入露記(二葉亭四迷)
ポーランドの春(ヴワディスワフ・レイモント/金子佳代訳)
小町の芍薬(岡本かの子)
紫陽花(泉鏡花)
物語(アルチュール・ランボー/中原中也訳)
真夜中の校庭(M・R・ジェイムズ/紀田順一郎訳)
恐怖の窓(遠藤周作)
歪んだ窓(山川方夫)
司書の死(中野重治)
六月の花(北原白秋)
蟹(岡本綺堂)
無題(石垣りん)
詩「嵐の夜空」〔尾崎翠〕
初姉 嫁ぐ(石井桃子)
お隣同士(シャルル=ルイ・フィリップ/山田稔訳)
跋