国書刊行会

買物カゴを見る

書籍詳細

12か月の本

シガツノホン

4月の本

西崎憲
太宰治中井英夫村山槐多鏑木清方吉田健一宮沢賢治久生十蘭片山廣子 他著
永井荷風 他訳

発売日
2025/03/10
判型
B6変型判
ISBN
978-4-336-07737-0
ページ数
296頁

定価 3,080円(本体価格2,800円)

内容紹介

時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――

12か月のうちの〈4月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。
四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。シリーズ全12巻。

装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)

著者紹介

西崎憲 (ニシザキケン)

翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。

太宰治 (ダザイオサム)

小説家。一九〇九年生。小説に「女生徒」「斜陽」「人間失格」など。一九四八年没。

中井英夫 (ナカイヒデオ)

小説家、短歌編集者、詩人。一九二二年生。小説に「虚無への供物」「悪夢の骨牌」など。一九九三年没。

村山槐多 (ムラヤマカイタ)

詩人。一八九六年生。血のように赤いガランスを好んだ画家でもある。結核性肺炎を患い、スペイン風邪に罹患した身で悪天候の戸外へ飛び出したことが元で一九一九年没。享年二四(満二二歳)。没後に詩や戯曲を収めた「槐多の歌へる」刊行。

鏑木清方 (カブラキキヨカタ)

浮世絵師、日本画家、随筆家。一八七八年生。随筆集に「こしかたの記」など。一九七二年没。

吉田健一 (ヨシダケンイチ)

一九一二年、東京生まれ。評論家、英文学者、小説家。父吉田茂に従って海外各地で育った。ポーやヴァレリーの翻訳から文学活動を開始し、反ロマン主義的批評を数多く執筆するかたわら、『瓦礫の中』など多くの小説も手掛けた。主な著作に『吉田健一全集』がある。一九七七年没。

宮沢賢治 (ミヤザワケンジ)

詩人、童話作家。一八九六年生。詩集に「春と修羅」、童話に「銀河鉄道の夜」など。一九三三年没。

久生十蘭 (ヒサオジュウラン)

一九〇二年、北海道函館市生まれ。本名・阿部正雄。岸田国士に師事して渡仏。レンズ光学と演劇論を学ぶ。帰国後は雑誌『新青年』などで活躍。主な作品に直木賞受賞作「鈴木主水」、国際短篇小説コンクール一席入選作「母子像」、「魔都」「顎十郎捕物帳」「キャラコさん」等がある。一九五七年没。

片山廣子 (カタヤマヒロコ)

歌人、随筆家、翻訳家。一八七八年生。歌集に「翡翠」、随筆に「燈火節」など。松村みね子名義でのアイルランド文学翻訳や芥川龍之介に影響を与えたことでも知られる。一九五七年没。

永井荷風 (ナガイカフウ)

小説家。一八七九年生。小説に「ふらんす物語」「雨潚潚」「濹東綺譚」など。一九五九年没。

目次

春昼(太宰治)
四月(北川冬彦)
四月の蕾(獅子文六)
鷗外先生の墓に詣づるの記(日夏耿之介)
春日遅々(堀辰雄)
牧神の春(中井英夫)
四月短章(村山槐多)
褪春記(鏑木清方)
四月馬鹿(渡辺温)
イギリスの春と春の詩(吉田健一〕
死人の埋葬〔「荒地」より〕(T・S・エリオット/吉田健一訳)
美しい墓地からの眺め(尾崎一雄)
山男の四月(宮沢賢治)
かたくり(水野葉舟)
ギャロッピング・フォックスリー(ロアルド・ダール/田口俊樹訳)
四月(ギュスターヴ・カーン/永井荷風訳)
春雪(久生十蘭)
まどわしの四月(片山廣子)
若菜のうち(泉鏡花)
博士の目(山川方夫)
桜の森の満開の下(坂口安吾)
 跋 四月はかならずやってくる(西崎憲)