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書籍詳細

ダイイチジセカイタイセンキ

第一次世界大戦記

ポワリュの戦争日誌

モーリス・ジュヌヴォワ
宇京賴三

発売日
2024/09/20
判型
A5判
ISBN
978-4-336-07655-7
ページ数
692頁

定価 4,950円(本体価格4,500円)

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内容紹介

◆「第一次世界大戦のイリアス」ともいうべき傑作
パリ高等師範学校修了時に第一次世界大戦が勃発、急遽召集された若きモーリス・ジュヌヴォワ。泥土と泥水にまみれ、至近で敵と対峙する塹壕戦を戦う日々。圧倒的な迫力と臨場感、一切の脚色潤色なしに、戦場と戦闘の実相、実態を精細克明に描いた、圧巻の一大戦争物語がついに邦訳!

―――

◆第一次世界大戦に参戦し、腕と胸に銃弾を受けて左手の自由を失い、退役を余儀なくされたジュヌヴォワは、病床にあって、戦場、塹壕で日々つけていたメモをもとにみずからが体験した戦場と戦闘の実相、実態を、驚くべき記憶力と観察力をもとに描きはじめる。圧倒的な迫力と臨場感、一切の脚色潤色なしに精細克明に描かれた、第一次世界大戦を語る「証言の文学」の第一級の作品。

著者紹介

モーリス・ジュヌヴォワ (モーリス・ジュヌヴォワ)

1890年、中仏ニエーヴル県ドゥシーズに生まれる。1914年、パリ高等師範学校首席修了、この年、第一次世界大戦が勃発し、第106歩兵連隊に少尉として入隊する。15年、戦場で瀕死の重傷を負い撤退、入院。7か月後、傷痍軍人となり退役、除隊。以後、著作活動に入る。22年に『レミ・デ・ローシュ』でフローレンス・ブルメンタール賞を、25年に『ラボリオ』でゴンクール賞を受賞。46年、アカデミー・フランセーズ会員。58年、アカデミー・フランセーズ終身書記(院長)就任。70年、国民文学大賞受賞。74年、アカデミー・フランセーズ終身書記辞任。80年、スペイン、バレンシア州ハベア近くの別荘で心臓発作により死去。享年90。2020年、パンテオンに祀られる。
著書に『一四年の人々』、『レミ・デ・ローシュ』、『ラボリオ』、『ジャンヌ・ロブラン』、『近くの死』、『三万日』など多数。

宇京賴三 (ウキョウライゾウ)

1945年生まれ。三重大学名誉教授。フランス文学、アルザスを中心とした独仏文化論。
著書──『フランス ─ アメリカ──この〈危険な関係〉』(三元社)、『ストラスブール──ヨーロッパ文明の十字路』(未知谷)、『異形の精神──アンドレ・スュアレス評伝』(岩波書店)、『仏独関係千年紀──ヨーロッパ建設への道』(法政大学出版局)。
訳書──エンツォ・トラヴェルソ『ユダヤ人とドイツーー「ユダヤ・ドイツの共生」からアウシュヴィッツの記憶まで』、同『左翼のメランコリー──隠された伝統の力 一九世紀〜二一世紀』(以上法政大学出版局)、同『アウシュヴィッツと知識人――歴史の断絶を考える』(岩波書店)、同『ヨーロッパの内戦 炎と血の時代 1914-1945年』(未來社)、フレデリック・オッフェ『アルザス文化論』(みすず書房)、同『パリ人論』(未知谷)、ウージェーヌ・フィリップス『アイデンティティの危機――アルザスの運命』(三元社)、同『アルザスの言語戦争』、ピエール・リグロ『戦時下のアルザス・ロレーヌ』、クリストフ・コニェ『白い骨片──ナチ収容所囚人の隠し撮り』(以上白水社)、クロディーヌ・ファーブル=ヴァサス『豚の文化誌――ユダヤ人とキリスト教徒』(柏書房)、エクトール・フェリシアーノ『ナチの絵画略奪作戦』(平凡社)など。

目次

『ヴェルダンの下で』(一九一六年)初版の序文(エルネスト・ラヴィス)
決定版への序文(モーリス・ジュヌヴォワ)

◆第一部 ヴェルダンの下で
Ⅰ 接触
Ⅱ ドイツ人ムーズ川を渡る
Ⅲ 退却
Ⅳ マルヌの日々
Ⅴ 皇太子軍の後方で
Ⅵ 森のなかで
Ⅶ 軍隊が塹壕の穴に潜る
Ⅷ 適応

◆第二部 戦争の夜
Ⅰ 塹壕から塹壕へ
Ⅱ 我らが村:モン・ス・レ・コート
Ⅲ レ・ゼパルジュの峡谷
Ⅳ カロンヌの十字路
Ⅴ 放棄された村
Ⅵ 交代
Ⅶ 発砲禁止
Ⅷ オブリー家

◆第三部 泥土
Ⅰ 機銃掃射された家々
Ⅱ 待避壕
Ⅲ 予備役
Ⅳ トーチカ
Ⅴ 「大展開」
Ⅵ 楽しくて役に立つ……
Ⅶ 人影
Ⅷ 五か月経って
Ⅸ 戦争
Ⅹ 泥土

◆第四部 レ・ゼパルジュ
Ⅰ 平和
Ⅱ 脅威
Ⅲ 死
Ⅳ 束縛
Ⅴ 墓穴
Ⅵ おぼれる者
Ⅶ ほかの者たち
Ⅷ 別れの時

モーリス・ジュヌヴォワ頌――あとがきにかえて
第一次世界大戦西部戦線略年表