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書籍詳細

イギリストキドキヨーロッパイチジニホン

イギリス時々ヨーロッパ一時日本

演劇と映画

狩野良規

発売日
2024/03/21
判型
A5判
ISBN
978-4-336-07588-8
ページ数
538頁

定価 3,960円(本体価格3,600円)

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内容紹介

芸術は越境できるか?! 演劇と映画とTVドラマ、ライブと映像、見ると聴く、人力とテクノロジー、劇場・映画館と動画配信、古典とスタンダードと新作、シェイクスピア劇とドキュメンタリー映画、混じりけなしとハイブリッド、そしてイギリスとヨーロッパと日本――何が同じで何が違うか、それぞれを味わい尽くす、まるでイギリスの天気のような解題集。

著者紹介

狩野良規 (カノウヨシキ)

1956年東京都生まれ。東京外国語大学外国語学研究科修士課程修了。東京都立大学人文学部(史学専攻)卒業。オックスフォード大学留学(1991―92年)。現在、青山学院大学国際政治経済学部教授。専攻、イギリスおよびヨーロッパ文学・演劇学・映像論。
主な著書に、『シェイクスピア・オン・スクリーン』(三修社)、『スクリーンの中に英国が見える』、『ヨーロッパを知る50の映画』正・続、『現代を知るための文学20』、『ポジティブシンキングにならないために』、『シェイクスピアとの対話』(以上、国書刊行会)、『えみゅーる――狩野良規自選エッセイ集』(シーズ・プランニング)などがある。

目次

 はじめに

◆第1章 イギリス演劇
 1 行間の重みはどこから来るのか――『深く青い海』
 2 二本立てにあらず――『人と超人』
 3 二十一世紀のブレヒト劇――『三文オペラ』
 4 役者で魅せる芝居――『エレクトラ』
 5 シラー劇、現代風――『メアリー・ステュアート』
 6 フリンジの発掘した芝居――『夏と煙』
 7 最近の古典劇上演――『夜への長い旅路』
◆第2章 イギリス映画・テレビ
 1 イギリス流の国王物語とは――『英国王のスピーチ』
 2 教育は何のため――『ヒストリーボーイズ』
 3 小説もTVドラマも超一流――『高慢と偏見』
 4 シャーロック・ホームズを抜いた人気作――「主任警部モース」シリーズ
 5 これぞ女の生きる道――「第一容疑者」シリーズ
 6 残酷演劇の映像化――『マラー/サド』
 7 シェイクスピアをひっくり返すと――『シーザーとクレオパトラ』
 8 アナザーストーリー――『もうひとりのシェイクスピア』
 9 イギリスの空のような歴史劇――『ウルフ・ホール』
◆第3章 シェイクスピア
 1 映画を見てから芝居を聴くと――『夏の夜の夢』
 2 正統派の痛快娯楽劇画――『リチャード三世』
 3 多彩なキャラと名場面の数々――『ヘンリー四世』
 4 旬の芝居だ――『お気に召すまま』
 5 シェイクスピア劇の現代化とは――『ジュリアス・シーザー』
 6 女優が演じる国王――『リチャード二世』
 7 人力のシェイクスピア喜劇――『十二夜』
 8 ハイテクの時代のシェイクスピア劇――『テンペスト』
 9 黒人のデンマーク王子――『ハムレット』
◆第4章 ケン・ローチと想田和弘
 1 バスの運転手が見たニカラグア内戦――『カルラの歌』
 2 アメリカの正義――『ブレッド&ローズ』
 3 イギリスの国内事情――『エリックを探して』
 4 底辺の若者にチャンスを――『天使の分け前』
 5 眼前の緊急課題――『わたしは、ダニエル・ブレイク』
 6 本気で怒っている――『家族を想うとき』
 7 民主主義の舞台裏――『選挙』
 8 二十一世紀の日本の情景――『港町』
 9 アメリカをあぶり出す――『ザ・ビッグハウス』
◆第5章 ヨーロッパ演劇
 1 ロシアのシラー劇――『たくらみと恋』
 2 正統派のチェーホフ劇――『かもめ』
 3 アンニュイなチェーホフ映画――『ワーニャ伯父さん』
 4 異文化を作品化する――『マハーバーラタ』
 5 これぞリアリズム演劇――『桜の園』
 6 リアリズムを越えて――『桜の園』
 7 古典の豊かさ――『二人の主人を一度に持つと』
 8 レーゼドラマ――『ファウスト』
◆第6章 ヨーロッパ映画
 1 なぜ難解なのか――『去年マリエンバートで』
 2 フランス人のマンタリテ――『冬物語』
 3 小説と映画の間――『変身』
 4 落日のヨーロッパ文明――『永遠の語らい』
 5 謎解きのない推理映画――『白いリボン』
 6 どうしても作りたかった映画――『カティンの森』
 7 ギリシャ現代史の亡霊――『狩人』
 8 映像も演技もリアリズム――『ペレ』
 9 母と娘――『秋のソナタ』
 10 二つの世界――『ファニーとアレクサンデル』
◆第7章 ナショナル・シアター・ライブ
 0 スクリーンでロンドンの演劇を
 1 見てきたような噓――『ザ・オーディエンス』
 2 下支えの気骨――『スカイライト』
 3 ことばはどこまで現実に根差しているか――『誰もいない国』
 4 笑劇の衝撃――『一人の男と二人の主人』
 5 ベストシートの芝居って何だ――『アマデウス』
 6 英国の何が万歳なのか?――『英国万歳!』
 7 騙されちゃいけない、猛毒あり――『アレルヤ!』
 8 アメリカの夢の果て――『リーマン・トリロジー』
 9 移民たちとの邂逅――『スモール・アイランド』

 注
 おわりに
 ナショナル・シアター・ライブ・イン・ジャパン、10年間のラインナップ
 初出一覧
 作品名・文献名索引
 人名索引