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書籍詳細

ニシシベリアノクママツリ

西シベリアの熊まつり

熊の魂を癒す藝能の役割

星野紘 編訳著
チモフェイ・モルダノフエヴドキヤ・イヴァノヴナ・ロムバンデーヴァ

発売日
2024/01/18
判型
A5判
ISBN
978-4-336-07517-8
ページ数
328頁

定価 4,950円(本体価格4,500円)

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内容紹介

天界の創世神に由来する西シベリアの熊。それを仕留めた者は自分の子供として家に招き入れ、地域を挙げて6日から8日間の熊まつりを行い、その魂に家や地域の守護霊になってもらう。熊を仕留めるところから始まる儀式の次第と演目の内容、歌われる神話を本邦初紹介。
アイヌのイオマンテや能と比較しながら、藝能とは何かを問う。
トルストイが感じ入った熊まつりの全貌が姿を現す。

著者紹介

星野紘 (ホシノヒロシ)

1940年新潟県生まれ。京都大学文学部卒業。現在、独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所名誉研究員、独立行政法人日本芸術文化振興会プログラムデイレクター。専攻、民俗芸能。
主な著書に、『歌垣と反閇の民族誌』(1996年、創樹社)、『歌・踊り・祈りのアジア』(2000年、勉誠出版、編著)、『芸能の古層ユーラシア』(2006年、勉誠出版)、『世界遺産時代の村の踊り』(2007年、雄山閣)、『過疎地の伝統芸能の再生を願って』(2012年、国書刊行会)など。

チモフェイ・モルダノフ (チモフェイモルダノフ)

Тимофей Молданов.
1956 年生まれ。現在、ハンティ・マンシ自治管区民族藝術館熊の遊び学校長。
著書に、КАРТИНА МИРА В ПЕСНОПЕНИЯХ ЕДВЕЖЬИХ ИГРИЩ СЕВЕРНЫХ ХАНТОВ. Томского университета 1999; Перевод, состаление, предсловие и примечания Тимофея Молданова. ЗЕМЛЯ КОШАЧЬЕГО ЛОКОТКА Выпуск 4. Томского университета 2004; Состатель Тимофей Молланов ЗЕМЛЯ КОШАЧЬЕГО ЛОКОТКА Выпуск 5. г. Хаеиы―Мансийсийск. 2010 などがある。

エヴドキヤ・イヴァノヴナ・ロムバンデーヴァ (エヴドキヤ・イヴァノヴナロムバンデーヴァ)

Е. И. РОМБАНДЕЕВА
1928 年生まれ。元オビ・ウゴール民族復興学術調査研究所言語文学民俗部長。著書に、ИСТОРИЯ НАРОДА МАНСИ( ВОГУЛОВ) И ЕГО ДУХОВНАЯ КУЛЬТУРА. г. Сургут СЕВЕРНЫЙ ДОМ. 1993 などがある。

目次

序章 森と水の民の目眩く歌や踊りと笑い
  一 タイガ、ツンドラの森と水の民の大地と生活
  二 なぜ熊を殺してまつりを執り行うのか
  三 歌、踊り、笑い(寸劇)の目眩くイメージ
第二章 西シベリアの熊まつりの歌や踊りと笑いの演目
 第一節 ハンティ人の熊まつり
  一 熊の歌、森の精霊たちの歌
  二 仮面の滑稽寸劇(来訪者)
  付 一九九八年カズィム川シュンユガンでの熊まつり演目次第
 第二節 マンシの熊まつり――スィグヴィンス・マンシの記録
第三章 日本の伝承から見る西シベリアの藝能
 第一節 アイヌの仮装舞踊劇論と西シベリアの熊まつり
  一 ハンティ人(族)の熊まつりとの出会い
  二 アイヌの熊まつりとハンティ人の場合とを比べて――行事次第、目的と神観念
  三 アイヌの「呪術的仮装舞踊劇」仮説の実在の可能性
  四 遺存するアイヌの仮面や日本本土の神楽の古能などとの類縁性
 第二節 日本の夢幻能と西シベリアの熊まつり
  はじめに
  一 西シベリアの熊まつりの次第概要
  二 熊と人間の身近さ
  三 此岸彼岸両界にまたがる熊まつりの演目と夢幻能
第四章 ハンティ・マンシの森の魔物と自然環境問題
  一 熊まつり演目における魔物の登場
  二 ハンティ人、マンシ人の魔物メンク(ヴ)
  三 環境問題に顔を覗かせる魔物の諭
終章 熊の霊魂を癒やす藝能とは
  一 歌と踊り、寸劇に終始する西シベリアの熊まつり
  二 寿福増長の基、延命の法
  三 事実と見まごうばかりの絵空事(藝)

  あとがき
  註
  索引