書籍詳細
イノリハヒトノハンブン
祈りは人の半分
- 発売日
- 2021/09/16
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 978-4-336-07237-5
- ページ数
- 368頁
定価 2,860円(本体価格2,600円)
内容紹介
人間存在の本質をなす営みでありながら合理主義偏重の現代において見逃されがちな「祈り」。その意義を多様な観点から見つめなおし、諸宗教における祈りの諸相を比較検討し、人間にとっての宗教と信仰を再考する。
※見やすい大活字。
著者紹介
水谷周 (ミズタニマコト)
京都大学文学部卒業。博士(イスラーム思想史、ユタ大学)。社団法人日本宗教信仰復興会議代表理事、日本ムスリム協会理事、国際宗教研究所顧問などを務める。日本における宗教的覚醒とイスラームの意義の啓発に努める著作多数。
イスラーム信仰関係以外の著作として、『現代アラブ混迷史 : ねじれの構造を読む』(平凡社)、『集団的自衛権とイスラム・テロの報復』(青灯社、共著)、『Liberalism in
20th Century Egyptian Thought: The Ideologies of Ahmad Amin and Husayn』(Amin, London, I.B. Tauris)などがある。
鎌田東二 (カマタトウジ)
1951年徳島県生れ。國學院大學大学院文学研究科博士課程神道学専攻博士課程単位取得退学。岡山大学大学院医歯学総合研究科社会環境生命科学専攻博士課程単位取得退学。京都大学名誉教授、上智大学大学院実践宗教学研究科特任教授。同大学グリーフケア研究所所員。博士(文学、筑波大学)。
著書に、『神界のフィールドワーク―霊学と民俗学の生成』ちくま学芸文庫、『身体の宇宙誌』講談社学術文庫、『宮沢賢治「銀河鉄道の夜」精読』岩波現代文庫、『霊性の文学』『聖地感覚』角川ソフィア文庫、『日本人は死んだらどこへ行くのか』PHP新書、『現代神道論』『世直しの思想』春秋社、『世阿弥―身心変容技法の思想』『言霊の思想』青土社、『南方熊楠と宮沢賢治』平凡社新書、『ケアの時代 「負の感情」とのつき合い方』淡交社、編著『身心変容技法シリーズ』全3巻など。
目次
はじめに
第一章 宗教信仰とは
(一)日本の課題 (二)イスラームの場合 (三)仏教の場合
(四)キリスト教の場合 (五)神道の場合 (六)自然科学の立場
(七)信仰と学問 (八)信仰の落とし穴―聖と俗 (九)信仰の功徳
第二章 信仰心蘇生のために
(一)宗教信仰と人生 (二)信心とストレス (三)信仰心は壊れやすいガラスの城
(四)信心は平等 (五)信仰は自らの務め (六)信仰最良の果実は安寧
(七)信仰は大船に乗った心地 (八)信心は互いに響くもの (九)信仰は日々の勤め
(十)信仰は新たな価値世界 (十一)信仰は絶対主にしがみつくこと
(十二)信仰は心のバランス
第三章 祈りと巡礼
(一)祈り ア.妙好人と称名 イ.「主の祈り」と聖母マリアと神学者の祈り
ウ.ムスリムの祈り エ.神道の祈り
(二)巡礼 ア.ムスリムの巡礼 イ.キリスト教徒の巡礼 ウ.四国巡礼 エ.神道の神社参拝
第四章 宗教信仰を感得させる本
(一)イスラーム関係 ア.イブン・アルジャウズィー『随想の渉猟』
イ.アフマド・アミーン『溢れる随想』
(二)仏教関係 ア.澤木興道『禅に生きる』 イ.中根環堂『観音の霊験』
ウ.勝平大喜『歓喜のこころ』
(三)キリスト教関係 ア.トマス・ア・ケンピス『キリストにならいて』
イ.遠藤周作『イエスの誕生』 ウ.ヨハン・ペスタロッチ『隠者の夕暮れ』
(四)神道関係 ア.『古事記』 イ.折口信夫『古代研究』 ウ.柳田國男『先祖の話』
エ.益田勝実『日本列島の思想』
第五章 イスラームが問いかける日本のあり方
(一)無宗教なのに、高い道徳意識 (二)自殺の日常化と生きがい
(三)譲位する天皇と従順な国民 (四)「旅立つ前の、伴侶選び」
(五)これからの日本 ア.イスラームは? イ.文明は?
第六章 宗教信仰復興の二つの課題
(一)宗教の低調さの主要原因
(二)「戦後」の前半と後半 ア.前半の世相 イ.「戦後」の後半
(三)負の遺産と第一の課題 ア.宗教アレルギー イ.人間復興と祈り
(四)負の遺産と第二の課題 ア.不徹底な社会改革 イ.社会改革への参画
(五)宗教と憲法改正
おわりに
付録 教皇フランシスコの「祈り」の講話