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書籍詳細

アイノトアルヴァ フタリノアアルト

アイノとアルヴァ 二人のアアルト

アルヴァ・アアルト財団ギャラリー エー クワッド
ニーナ・ストリッツラー=レヴァインウッラ・キンヌネン皆川明安東美穂子パトリック・フレミング白川裕信岡部三知代 執筆
宇井久仁子 フィンランド語監修・翻訳

発売日
2021/03/23
判型
A4変型版
ISBN
978-4-336-07197-2
ページ数
324頁

定価 3,080円(本体価格2,800円)

※品切増刷未定

内容紹介

互いの才能を認めあい、影響しあい、補完しあいながら作品をつくり続けたアイノ・マルシオ(1894~1949)とアルヴァ・アアルト(1898~1976)。アイノがパートナーになったことで、アルヴァに「暮らしを大切にする」という視点が生まれ、モダニズム建築の潮流のなかで、アアルト建築はヒューマニズムと自然主義が共存する独自の立ち位置を築いた。結婚してからアイノが54歳の若さで他界するまで、二人が協働した25年間というかけがえのない創造の時間を、これまで注目されることの少なかったアイノの仕事に着目しながらたどり、アアルト建築とデザインの本質と魅力を見つめ直す。長年遺族のもとで保管されてきた初公開資料を多数収録し、アアルト・ファミリーへのインタビュー等も収録する充実の一書。

「創造の表現に辿り着く時、二人の中で互いの意識や思考がどのように交差し、重なり、響きあったのだろうか。それらを生んだ二人の日々の暮らしへの眼差しはとても興味深い。」―皆川明(本書より)

著者紹介

アルヴァ・アアルト財団 (アルヴァ・アアルトザイダン)

ギャラリー エー クワッド (ギャラリーエークワッド)

ニーナ・ストリッツラー=レヴァイン (ニーナ・ストリッツラー=レヴァイン)

バード・グラデュエート・センター(ニューヨーク)の学芸的実践部門教授およびフォーカス・プロジェクト展ディレクター。近・現代建築、デザインの分野や、オルタナティブ・モダニズム、ジェンダー、階級、セクシュアリティ、建築と現代美術との接点に特に焦点をあてた学芸的理論と実践の分野において研究。担当した主な展覧会に「アイリーン・グレイ」「アルテックとアアルト」「シーラ・ヒックス:隠喩としての織物」「ジョセフ・フランク:モダンホームのオルタナティブ・ヴィジョン」などがある。

ウッラ・キンヌネン (ウッラ・キンヌネン)

トゥースラ美術館館長。フィンランドの建築およびデザインに関する書籍編集に携わる。主な著書にAino Aalto(Alvar Aalto Museum, 2004 [邦訳]『アイノ・アアルト』TOTO出版、2016年), Inside the Villa Mairea (Alvar Aalto Museum, 2009)などがある。

皆川明 (みながわあきら)

デザインブランドminä perhonen( ミナ ペルホネン)創業者、デザイナー。手作業で描いた図案によるテキスタイルでのファッション、インテリア等で注目を集める。個人としても、国内外の様々なブランドとの協業を精力的に続けるほか、新聞や書籍への挿画、宿のディレクションなど活動は多岐にわたる。

安東美穂子 (あんどうみほこ)

建築家、京都大学博士(工学)。大学院在学中、フィンランドのアルヴァ·アアルト財団アカデミーおよびアアルト大学建築学部訪問研究員として長期在外研究。ヨーロッパと日本にて、アアルトに関する複数の執筆、発表、出版を行う。主な論文に“Alvar Aalto’s Way to Design: Interaction Between Furniture and Architecture” (Kyoto University, 2019), Mihoko Ando and Patrick H. Fleming, “A Study of Alvar Aalto’s Wood Reliefs for Furniture and Architectural Design,” Journal of Design History 32, no.2 (2019) などがある。

パトリック・フレミング (パトリック・フレミング)

エンジニア、スイス連邦工科大学チューリッヒ校 SNF Ambizioneリサーチフェロー。カナダで工学を学び、イギリスのケンブリッジ大学にて、主に木造建築とデザインについて研究し、建築学博士課程修了。スイス、クール市のコンゼット ブロウジーニ パートナー勤務を経て、2019年より、スイス連邦工科大学チューリッヒ校にて、主に歴史建造物と現代建築遺産の研究に従事。

白川裕信 (しらかわひろのぶ)

ギャラリーエークワッド館長。竹中工務店東京本店設計部長、プリンシパルアーキテクトを経て2016 年より現職。1988 -89年TAC建築設計事務所勤務。担当した展覧会に「AINO AALTO展」( 2016年)、「イームズ・ハウス展」( 2019年)など。主な設計担当プロジェクトに「一橋大学学長公邸」、「日産自動車本社ビル」などがある。

岡部三知代 (おかべみちよ)

ギャラリーエークワッド主任学芸員/副館長。竹中工務店設計部を経て2005年より現職。担当した主な展覧会に「トーヴェ・ヤンソンの夏の家―ムーミン物語とクルーヴ島の暮らし」(2013年)、「世界の建築スクール展WOOD ROGRAM―AALTO UNIVERSITY, FINLAND」(2015年)、「AINO AALTO Architect and Designer」(2016年)、「ヴァージニア・リー・ヴァートンの『ちいさいおうち』」(2017年)、「Marimekko Spirit― Elämäntapa マリメッコの暮らしぶり」(2017 年)、「生まれてはじめてもらうプレゼント〝フィンランドのベビーパッケージ″」(2018 年)などがある。

宇井久仁子 (ウイクニコ)

建築士・フィンランド語翻訳者。演劇『行こう!野ウサギ』(2017 年)脚本翻訳、『アルヴァ・アアルト―もうひとつの自然』(2018年)翻訳・フィンランド語監修、ドキュメンタリー映画『AALTO』(2020年)字幕監修など。

目次

序文 トンミ・リンダ(アルヴァ・アアルト財団CEO)

イントロダクション 二人のアアルト

1章 イタリアから持ち帰ったもの
 1-1 アアルト事務所における協働の始まり
 1-2 マーケット広場およびサウナ計画
 1-3 ユヴァスキュラの労働者会館
 1-4 ムーラメの教会
 1-5 ヴィラ・フローラ

2章 モダンライフ
 2-1 トゥルクの自宅兼事務所
 2-2 最小限住宅展
 2-3 スニラのパルプ工場と住宅地区
 2-4 木造規格化住宅

3章 木材曲げ加工の技術革新
 3-1 ロウ チェア
 3-2 パイミオ チェア
 3-3 L -レッグ
 3-4 特許の取得

4章 機能主義の躍進
 4-1 パイミオのサナトリウム
 4-2 ヴィープリの図書館

5章  アルテック物語
 5-1 アルテックの設立と創業者
 5-2 マニフェスト
 5-3 アルテックの販売ネットワーク
 5-4 レストラン・サヴォイのインテリア
 5-5 幼稚園、保育園、保健医療施設のためのインテリアと家具 
 5-6 マルミ空港旅客ターミナルのインテリア

6章 モダンホーム
 6-1 アアルトハウス
 6-2 マイレア邸

7章 国際舞台でのアアルト夫妻
 7-1 ミラノ・トリエンナーレ
 7-2 パリ万国博覧会フィンランド館
 7-3 ニューヨーク万国博覧会フィンランド館
 7-4 ベイカーハウス学生寮

エピローグ 分かち合ったヴィジョン
 E-1 アイノとアルヴァ・アアルト25周年記念展
 E-2 ファミリーコレクション

【論考】
・出会いと共鳴から生まれる創造  皆川 明
・公共に尽くしたアイノ・アアルト  岡部三知代
・アアルトの木製レリーフの芸術と技術  安東美穂子/パトリック・フレミング
・アアルトのブランド戦略  ウッラ・キンヌネン
・理性で整えたカタチ、感性に委ねられたカタチ  白川裕信
・アルヴァ・アアルトとアイノ・マルシオ゠アアルトー近代建築とモダンデザインを追求するパートナー  ニーナ・ストリッツラー゠レヴァイン

【コラム】
・シネクラブ「プロイェクティオ」  加藤 絢
・サヴォイ・ベース  小野尚子
・日本人外交官 市河彦太郎・かよ子夫妻との交流  三木敬介
・近代建築国際会議  小野尚子
・マイレア邸への日本建築からの影響  三木敬介
・アイノとアルヴァのガラス器デザイン  小野尚子
・アイノ・アアルトと写真  加藤 絢

【インタビュー】
・アアルト・ファミリー・インタビュー ヘンリック・アアルト/ヘイッキ・アアルト゠アラネン
(インタビュー・構成・翻訳:迫村裕子、岡部三知代)

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・モダンキッチンとアアルト夫妻
・アイノとアルヴァを取り巻く人々(相関図)
・二人のアアルト年表
・主要参考文献
・掲載図版リスト

関連リンク

世田谷美術館「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展ページ