書籍詳細
イリョウハスクワレルカ
医療は救われるか
医師の堕落
- 発売日
- 2022/02/25
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 978-4-336-07196-5
- ページ数
- 280頁
定価 3,300円(本体価格3,000円)
内容紹介
医療は第二次世界大戦後から急速な発展を遂げて1980年代末に黄金時代を迎えた。その後下降し続け、いま医療はビッグサイエンス、医療産業複合体、消費者中心主義、物心二元論に支配されて転落を辿っている。このままでは医療の未来に希望はなく、医師の存在意義は消失し、健康と人間らしい生き方は限界に突き当たる。現代医学の欺瞞と、誤謬、混迷を明らかにしつつ医療崩壊への歩みを即刻停止すべきと主張する。
本書の魅力は、内容には驚愕したが、博学で機知に富むオウマハニー医師の文章だけでなく、手加減しない率直さにある・・・ ・・・ 医師人生の締め括りに医療の現実を憂うる。(ザ・タイムズ)
著者紹介
長年イギリスの国民保健サービス(NHS)で勤務。現在は故郷アイルランド南部のコークで医療に従事。2016年に”The Way We Die Now”を出版し、スウェーデンと日本で翻訳もされている。同書は2017年にBMA出版賞(英国医師会出版賞)を受賞。邦訳版『現代の死に方――医療の最前線から』(国書刊行会、2018年)。
小林政子 (コバヤシマサコ)
明治学院大学英文学科中退、外務省入省。リスボン大学留学後、1988年に外務省を早期退職して翻訳を志す。
主な訳書に、『私の見た日本人』(パール・バック著、2013年)、『壊血病』(2014年)、『最後のヴァイキング』(2017年)共にスティーブン・R・バウン著、『現代の死に方』(シェイマス・オウマハニー著、2018年)、『2084年報告書』(ジェームズ・ローレンス・パウエル著、2022年)(以上 国書刊行会より出版)。『ギリシャ人ピュテアスの大航海』(バリー・カンリフ著、2023年 青土社)などがある。
目次
第一章 「いま人は長生きする」
第二章 図書市で偶然に見つけた本
第三章 五十周年
第四章 悪しきビッグサイエンス
第五章 医療誤情報の混乱
第六章 病気の発明法
第七章 「意識啓発を即刻やめよ」
第八章 終わりのない癌との戦い
第九章 消費者中心主義とNHS(国民保健サービス)、「成熟文明」
第十章 数値化とデジタル化、売出中
第十一章 逆娼婦
第十二章 マクナマラの誤謬
第十三章 共感の噓
第十四章 進歩という蜃気楼
おわりに
謝辞
訳者あとがき
参考文献
索引