書籍詳細
シンカサンジュウハチオクネンノグウゼントヒツゼン
進化38億年の偶然と必然
生命の多様性はどのようにして生まれたか
- 発売日
- 2020/10/13
- 判型
- 四六変
- ISBN
- 978-4-336-07037-1
- ページ数
- 416頁
定価 4,180円(本体価格3,800円)
内容紹介
強いものが勝つとは限らない。運も重要である――
世界的な分子系統学者が着目する「進化」の最重要トピックス。
文系と理系の枠を超えて「進化」を読み解く!
今世紀に入って、科学分野は比べものにならないほどの精度と分析能力で発展してきた。日進月歩に新知見が登場し、それらを結びつけた、深く広い「進化の歴史」が語られようとしている。それが本書である。
アリストテレスの「生命の階段」からはじまり、ダーウィンの『種の起源』が革命を起こした、進化にまつわる仮説の数々。
分子系統学の登場で新たな時代を迎えた“進化学の現在”までを、探求の道をともに歩んだ研究者たちとのエピソードを交え、生物学的な空間、大陸移動など地球科学的な時間軸の絡みあいのなかにつむぐ、38億年の壮大な「進化」のストーリー! カラー口絵添。
◎漂流する大陸と生物の進化
◎進化発生生物学「エボデボ」
◎エピジェネティックス ほか
著者紹介
長谷川政美 (ハセガワマサミ)
分子系統学者。1944年新潟県生まれ。1966年東北大学理学部物理学科卒業、1970年名古屋大学大学院理学研究科博士課程中退。同年、東京大学理学部助手。統計数理研究所助教授を経て教授。その後、復旦大学(上海)教授を経て、現在、統計数理研究所名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。理学博士(東京大学)。主な著書に『分子系統学』(岸野洋久共著)、『DNAに刻まれたヒトの歴史』(ともに岩波書店)、『系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史』(ベレ出版)、『世界でいちばん素敵な進化の教室』(監修、三才ブックス)など。1993年日本科学読物賞、1999年日本遺伝学会木原賞、2005年日本進化学会賞・木村資生記念学術賞など受賞歴多数。
目次
はじめに
第1章進化論の歴史
1・1「自然の階段」から「生命の樹」へ
1・2リンネの階層分類
1・3キュヴィエの新しい分類
1・4共通祖先からの進化
1・5偶然性の重視
1・6自然選択の現場
1・7なぜ多様な種が進化したか?
1・8分子系統学の登場
第2章進化と地理的分布
2・1ウォーレスの進化論
2・2ウォーレスのマレー諸島探検
2・3ペンギンはなぜ北極にいないのか
2・4ホッキョクグマの分布
2・5漂流する大陸と生物の進化
2・6大陸移動説の拒絶と受容
2・7大陸分断による種分化
2・8海を超えた移住
2・9古顎類の進化
第3章進化と発生
3・1発生と進化
3・2繰り返し要素の個性化と多様な形態の進化
3・3表現型の可塑性
3・4ジャンクDNA
3・5少ない遺伝子
3・6ヘモグロビンにおける調節
3・7エピジェネティックス
3・8獲得形質は遺伝するか
3・9美しいオス
3・10性選択はどのように働くか
第4章すべての生き物の共通祖先
4・1生命の誕生
4・2すべての生き物の共通祖先LUCA
4・3古細菌と真核生物を結ぶ失われた鎖
4・4真核生物の起源についての「水素仮説」
4・5地球生物の2大分類群
4・6細胞核の起源
第5章絶滅と進化
5・1絶滅
5・2凍りついた地球
5・3全球凍結後の生物進化
5・4カンブリア爆発
5・5生命の陸上への進出
5・6哺乳類型爬虫類の絶滅と恐竜の台頭
5・7多様な菌類の進化
5・8分解者を食べる変形菌の進化
第6章恐竜の世界から哺乳類、ヒトの世界へ
6・1中生代の世界とその終焉
6・2非鳥恐竜の衰退
6・3哺乳類の台頭
6・4小さな生物が担う多様性
6・5鳥類の台頭と翼竜の衰退
6・6大量絶滅からの再出発
6・7ホモ・サピエンスの進化
6・8脳の進化
6・9ヒトの多様な脳
おわりに