書籍詳細
クマガミデンセツ
熊神伝説
- 発売日
- 2020/11/25
- 判型
- A5判
- ISBN
- 978-4-336-06688-6
- ページ数
- 278頁
定価 3,740円(本体価格3,400円)
内容紹介
ユーラシア大陸の広大な地域に広がる熊を崇拝し祭る習俗。そこに共通する思考とは。北方諸民族の熊遊び、アイヌの熊送り、東日本のマタギの狩猟儀礼――。遠いシベリアの地と日本列島とをつなぐ「熊神」の秘密を明らかにする。
著者紹介
赤羽正春 (アカバマサハル)
1952年長野県生まれ。明治大学卒業。明治学院大学大学院修了。文学博士。専攻、民俗学・考古学・文化史。シベリアと日本の文化史研究を進めている。主な著書に、『鮭・鱒』(2006年、法政大学出版局)、『熊』(2008年、法政大学出版局)。『樹海の民』(2011年、法政大学出版局)、『白鳥』(2012年、法政大学出版局)、『鱈』(2015年、法政大学出版局)、共著に『神々と精霊の国――西シベリアの民俗と芸能』(2015年、国書刊行会)など。
目次
序説 シベリアへ
第一節 熊送りの大地
第二節 動物と霊魂
第三節 動物に祈る
第四節 シベリアの民とつながる現代思潮
第五節 熊と人間の文化史
第一章 熊でつながる世界
第一節 熊と芸術、坂巻正美の空間芸術
第二節 熊に関する感性
第三節 熊からの承認
第四節 親戚であった熊
第五節 北半球に広がる、熊が人を助ける伝説
第二章 熊の巣穴
第一節 穴見猟
第二節 洞窟と宗教
第三節 洞窟の熊
第四節 熊に象徴される神
第五節 熊崇拝の本旨
第六節 儀礼としての熊狩り
第七節 熊狩りの春山
第八節 熊と象徴
第三章 ハンテ人の熊送り
第一節 アイヌとハンテの熊送り
第二節 西シベリアの熊神伝説
第三節 熊と神
第四節 エヴェンキ人の熊祭り
第五節 東日本の熊の扱い
第四章 熊の儀礼
第一節 木偶、藁人形、土偶
第二節 獅子踊り
第五章 熊と象徴
第一節 ハンテ人の熊の紋章
第二節 熊形彫像(形象)
第三節 北欧・バルト三国
第四節 東欧
第五節 芸能
第六章 熊と精霊
第一節 マタギが熊から受け取る精霊
第二節 精霊の訪れ
第三節 人と重なり合う命
第四節 熊鍋
第五節 熊意匠と象徴化
第六節 生贄の象徴化
終章 熊神伝説
第一節 熊の民族創世叙事詩
第二節 熊娘婚姻譚
第三節 祖先崇拝
第四節 東日本の熊儀礼
あとがき