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書籍詳細

ウィトゲンシュタインノアイジン

ウィトゲンシュタインの愛人

デイヴィッド・マークソン
木原善彦

発売日
2020/07/17
判型
四六変型判
ISBN
978-4-336-06657-2
ページ数
328頁

定価 2,640円(本体価格2,400円)

※在庫あり

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内容紹介

地上から人が消え、最後の一人として生き残ったケイト。
彼女はアメリカのとある海辺の家で暮らしながら、終末世界での日常生活のこと、日々考えたとりとめのないこと、家族と暮らした過去のこと、生存者を探しながら放置された自動車を乗り継いで世界中の美術館を旅して訪ねたこと、ギリシアを訪ねて神話世界に思いを巡らせたことなどを、タイプライターで書き続ける。
彼女はほぼずっと孤独だった。そして時々、道に伝言を残していた……
ジョイスやベケットの系譜に連なる革新的作家デイヴィッド・マークソンの代表作にして、読む人の心を動揺させ、唯一無二のきらめきを放つ、息をのむほど知的で美しい〈アメリカ実験小説の最高到達点〉。

「とりとめのない、ゆえに豊かな知的連想が、世界が終わった寂寥感と合流する、その独特さ。まさに唯一無二。」
柴田元幸

「地球最後の一人となってタイプを打つ女の物語に読者が共感するのは、書くのも読むのも孤独な営みだからだ。」
若島正

「究極の二十世紀小説は――誰も書かなかったのでデイヴィッド・マークソンが書いたのだが――正気を失った女が浜辺の家に暮らし、日々の出来事や思い出をタイプライターで綴りながら、そこに記された言葉と自分との関係の中にある絶対的本質をつかもうとする、そんな物語だ。」
訳者あとがきより


装画=ケッソクヒデキ
装幀=アルビレオ

著者紹介

デイヴィッド・マークソン (デイヴィッドマークソン)

1927年ニューヨーク州オールバニー生まれ。2010年没。小説家、詩人。若い頃はコロンビア大学などで創作を教えるかたわら、娯楽的な作品を執筆した。60歳の年に発表した『ウィトゲンシュタインの愛人』(1988年)が傑作として注目を浴びた。以後に出版された『読者のスランプ』(1996年)、『これは小説ではない』(2001年、邦訳は2013年、水声社)、『消失点』(2004年)、『最後の小説』(2007年)の作品群は「作者四部作」と呼ばれ、断片を積み重ねるスタイルを顕著な特徴とし、高く評価されている。

木原善彦 (キハラヨシヒコ)

1967年生まれ。京都大学大学院修了。大阪大学大学院人文学研究科教授。著書に『UFOとポストモダン』(平凡社)、『ピンチョンの『逆光』を読む』(世界思想社)、『実験する小説たち』(彩流社)、『アイロニーはなぜ伝わるのか?』(光文社)、訳書にウィリアム・ギャディス『JR』『カーペンターズ・ゴシック』、デイヴィッド・マークソン『ウィトゲンシュタインの愛人』(いずれも国書刊行会)、トマス・ピンチョン『逆光』、リチャード・パワーズ『幸福の遺伝子』『オルフェオ』『オーバーストーリー』、アリ・スミス『両方になる』『秋』『冬』『春』『夏』、オーシャン・ヴオン『地上で僕らはつかの間きらめく』(いずれも新潮社)、ハリー・マシューズ『シガレット』、ハリ・クンズル『民のいない神』、ベン・ラーナー『10:04』、アザリーン・ヴァンデアフリートオルーミ『私はゼブラ』(いずれも白水社)、デイヴィッド・マークソン『これは小説ではない』(水声社)など。ギャディス『JR』は日本翻訳大賞、日本翻訳出版文化賞受賞。

目次

ウィトゲンシュタインの愛人
訳者あとがき

関連リンク

note〈【アメリカ実験小説の最高到達点】『ウィトゲンシュタインの愛人』を刊行します〉

note〈【再版記念・全文期間限定再公開!】『ウィトゲンシュタインの愛人』「訳者あとがき」〉