国書刊行会

内容紹介

明治創成そして、日本の基盤を作り上げた井上毅の全貌を明らかにする !　　
明治期における政府重要文書の多くをまとめ、憲法・皇室典範・教育勅語を起草。
国を護り抜く意思と戦略にその生涯をかけた。

著者紹介

井上俊輔 （イノウエシュンスケ）

　昭和２８年、熊本市生まれ
　昭和５３年、熊本大学医学部卒業
　昭和５７年、熊本大学大学院医学研究科修了（熊本大学体質医学研究所病理学研究部 Department of Pathology, Institute of Constitutional Medicine, Kumamoto University で実験病理および人体病理専攻）
　昭和５９年、文部教官（熊本大学助手・医学部眼科学教室）
　平成５年、いのうえ眼科開院
　現在、医療法人菁莪斎理事長
　医師・医学博士
　著書　『平成新国体論』国書刊行会（平成１３年）

目次

はじめに
第一章 熊本時代　
一 生い立ち　
二 「必由堂」教育
三 木下韡村塾　
四 時習館教育　
五 小楠との問答　
六 毅の「国体比較論」　
七 二度の出征と仏語修行　
第二章 官吏時代　
一 大学小舎長・中舎長　
二 司法省
三 欧州視察
四 毅と佐賀の乱　
五 「士族処分意見」　
六 明治七、八年の活躍　
第三章 憲法と毅　
一 五箇条の御誓文　
二 欧州研究
コラム【立憲君主制とは】
三 憲法への道　
四 スペンサー・元田永孚・グラント　
五 各参議の意見　
六 一四年の政変　
七 毅の憲法構想　
八 毅のルソー批判　
九 岩倉具視の『大政紀要』　
十 伊藤博文の欧州憲法調査　
十一 憲法制定　
十二 憲法に対する国内外の評価　
十三 毅と皇室典範　
コラム【憲法と陪審員制度】　
第四章 明治憲法とは何か　
一 憲法は国体を継承する　
二 明治憲法の特徴　
三 「統帥権」とは何か　
四 毅の陸海軍意見　
コラム【明治憲法と現行憲法】　
第五章 憲法政治と毅　
一 憲法政治の三つの徳義　
二 議会の正しい姿を求めて　
第六章 教育勅語と毅　
一 教育勅語への道
二 教育勅語は日本の国体を伝える　
第七章 教育と毅　
一 明治初年の教育制度　
二 毅の教育思想　
三 森文相の国体主義教育　
コラム【国体教育】
四 文部大臣・井上毅　
第八章 毅の思想　
一 毅の「国体論」　
二 古典（国典）研究
三 毅の「非議院制内閣論」
四 毅の「君主遵法主義意見」
コラム【多数決】
第九章 大津事件と毅　
一 未曽有の国難　
二 毅の真価
コラム【司法制度と毅】　
第十章 対清・対朝鮮外交　
一 台湾事件　
二 江華島事件　
三 琉球に関する日清交渉　
四 壬午事変　
五 甲申事変
六 台湾に関する建議　
コラム【毅と伊藤博文】
第十一章 条約改正と毅　
一 幕末以降の欧米との条約　
二 明治一五年条約改正に反対　
三 明治二〇年条約改正に反対　
四 明治二二年条約改正に反対　
五 明治二五年の条約改正意見書
第十二章 西南戦争と毅　
一 朝鮮への大使派遣問題　
二 西南の役　
三 毅と衝背軍　
四 熊本復興に尽力　
あとがき　
井上毅略年譜　
参考文献