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書籍詳細

ボクハギヤクヲウルコトニシタ

僕は偽薬を売ることにした

水口直樹

発売日
2019/07/25
判型
四六判
ISBN
978-4-336-06375-5
ページ数
256頁

定価 1,980円(本体価格1,800円)

※在庫あり

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内容紹介

京大薬学系大学院を修了、製薬会社の研究員として薬品の開発を手がけた著者は、今、偽薬を売っている。それは偽薬が効くからだ。なぜ効くのか科学的には説明できないけれど、「プラセボ(偽薬)効果」という言葉があるくらい厳然と効く。なぜだろうと突き詰めて考えた時、科学の限界、科学に依拠する現代医療の限界、健康を求める現代人がむしろ不健康になってしまう思考のパターンに気づくことになる。そこに気づく人が増えれば、医療の形は大きく変わらざるを得ない。科学の申し子が、科学の向こう側を透視する超問題作。

著者紹介

水口直樹 (ミズグチナオキ)

1986年滋賀県生まれ。プラセボ製薬株式会社代表取締役。2010年京都大学薬学部卒業。2012年同大学院修了。製薬会社に研究開発職として入社。2014年退社独立、現在に至る。

目次

1章 偽薬は効く
  偽薬とプラセボ
  19世紀後半、フリントのリウマチ熱に対する「プラセボ治療薬」
  1940年代、内胸動脈結紮手術
  1957年、クレビオゼン
  1960年代初頭、パークとコーヴィの実験
  1970年、ルパレロの実験
  1970年、池見・中川の実験
  1980年代、エイダーの条件付け実験
  カステスの喘息・バニラ実験
  1996年、モーズリーの関節鏡実験
  最近の話題
2章 医療とプラセボ効果
  革新的な効果判別法
  医薬品の有効性に関する疑義
  臨床現場での偽薬使用
  プラセボ効果に関する報告を通じて
  くすりとプラセボ効果
  外科手術とプラセボ効果
  医薬品開発とプラセボ効果
3章 プラセボ効果を解釈しよう
  ヒトは分からないことを嫌う(分かることが好き)
  「説明原理」に基づく世界の理解
  説明原理としてのプラセボ効果
  プラセボ効果は実在しない
  不思議
  思い込みまたは暗示
  気休め
  奇跡または魔術
  未解明の生化学現象
  新たな解釈
  ゼロのアナロジー
  複素効理論
  複素効理論の応用
  複素効理論の課題と射程
4章 健康観のアップデート
  医療のあり方が問われている
  そもそも健康とは何か
  健康病になっていませんか
  自分に対する信頼を健康と考えてみる
  健康の主導権を取り戻そう
  プラセボ製薬が提供するもの
5章 効かない偽薬の価値
  高齢者介護と偽薬
  多剤併用からの卒薬サポーターに
  依存的服薬が心配な時に
  何もせず時の経過を待たねばならない時に
6章 プラセボ製薬創業譚
  企画
  起業
  ファブレス企業
  まずは介護業界
  そして医療業界へ
  現状とこれから
7章 プラセボ効果の総合的解釈
  公理主義
  囲碁という公理系
  生物の身体と世界認識モデル
  世界の大部分は認識すらされていない
  言語という公理系
  対称性と客観性
  科学という公理系
  科学の営みとは
  認知バイアスとプラセボ効果
  西洋医学という公理系
  東洋医学という公理系
  西洋医学と東洋医学
  科学と東洋思想
  統合医療の洗練
  プラセボ効果とノセボ効果
  複素効理論
8章 持続可能な社会を偽薬がつくる
  あなたの健康のため将来にツケを回すか
  プラセボ効果の有効活用
  公理主義的な小売業者が期待すること