書籍詳細
アタラシイシトソノツクリカタ
新しい詩とその作り方
- 発売日
- 2018/03/16
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 978-4-336-06240-6
- ページ数
- 296頁
定価 4,180円(本体価格3,800円)
内容紹介
力を創れ! 新しくなれ! 掘れ! そして汲め! 強いエッセンスを探れ!
著者は、世にあふれた「詩の作法」を書くことを嫌い、ありのままの自然や事物、事象をとらえ、魂の根源をみつめることが、新しい詩を書く力になると語る。萩原朔太郎、北原白秋、佐藤春夫、正岡子規、山村暮鳥、佐藤惣之助、日夏耿之介……ボードレール、ヴェルレーヌ、デーメル、モレアス、フォール、グールモン、ダンセニイ、メーテルリンク、レニエ、ツルゲーネフ、ソログープ、クラブント、イエーツ、ヴェルハーレン、バリモント、マリネッティ……。叙情詩、叙事詩……耽美派、象徴派、ロマン派、キュビスム、未来派……。あらゆる詩をのみ込み、伝統を破壊しながら、新たな詩を生み出そうとする著者の熱情がほとばしる。 序文 萩原朔太郎
著者紹介
室生犀星 (ムロウ サイセイ)
1889年(明治22)生まれ。本名照道。俳号は魚眠洞。1902年、金沢市立長町高等小学校中退。裁判所に給仕として勤めながら俳句、詩作を始める。抒情詩人として名をあげ、戦後は小説家として活躍した。1962年(昭和37)死去。代表作に詩集『愛の詩集』『抒情小曲集』、小説『幼年時代』『性に目覚める頃』『あにいもうと』『杏っ子』、評論『わが愛する詩人の伝記』など。
目次
序文 萩原朔太郎
1 詩は優しい春のような感情である(詩の本質、精神のこもった仕事)
2 詩は愛である(愛あるもの、街や郊外)
3 一つの林檎(林檎をどう詩に書くか、色や匂い)
4 陰影、容積、深み、線、動くものについて(作品の背景について)
5 新鮮なるものについて(新しい詩とは何か)
6 詩は自然の中に(正しいもの、自然のすべては詩の世界だ)
7 自由な詩、自由な口語(七五調について、口語詩の内容について、詩の自由について)
8 唱歌をうたう少女の心理について(歌詞の自由をとり入れよ、美しい少女らのピアノを喜ぶ詩のような心)
9 真と美とは詩の根本思想だ(その一)(詩によって挙げられる美について)
10 真と美とは詩の根本思想だ(その二)(真はいつわらない感情だ、詩は正直にかけ)
11 男性的な詩と女性的な詩(その一)(大地に根をもった詩、いつわらずに書かれた詩)
12 男性的な詩と女性的な詩(その二)(オーケストラのような詩、深大な詩)
13 詩と宗教について(詩は一つの心の宗教である,善い人間に善い詩が生まれる)
14 口語詩と文語詩との区別(日常語について、生きた言葉について)
15 リズムとは何か(リズムの根ざすところ、精神の音樂、音樂の中の言葉、ヴェルレーヌの詩)
16 詩を思う心(詩を思う心ほどよい精神はない、私が初めて詩をかいた少年の頃の思い出
17 詩のような物語(可憐な少女ポンタンのこと)
18 詩と生命感について(詩についての信条、未来への悩み)
19 詩と音楽の関係について(美を求める信仰のあらわれ、精神において詩と音楽の共鳴すること)
20 旅行と散歩と(旅を思うこと、原始生命に帰る心、伊香保紀そのほか)
21 ノオトより(愛の本体について、郊外生活の断片および自然の美についての断想)
22 抒情詩について(抒情詩と抒事詩の関係、デーメルおよびモレアスの詩、抒情小曲集から)
23 散文詩に就て(散文詩の主張、ツルゲーネフ、ダンセニイ、ボードレールの散文詩)
24 近代科学と詩と(建築、街路、飛行機、並木、文明の山、文明の野、マリネッティの詩など)
25 恋および愛の詩(人類の愛について、愛の詩の精神について、ハイネ、ミュッセ、ボール・フォール、グールモン、佐藤春夫、北原白秋、萩原朔太郎、室生犀星)
26 林の中にて(孤独感について、霊魂の運動について)
27 詩人と郷土との関係について(詩に現わされる郷土性)
28 美しい詩とその評釈(北原白秋、山村暮鳥、萩原朔太郎、佐藤惣之助、室生犀星、レニエ、ソログーブ、クラブント、メーテルリンク、サマン、ヴェルハーレン、パリモント、ニーチェ、ボードレール)
29 詩を多く読み書くこと
付録1 室生犀星の芸術とその人物について 萩原朔太郎
付録2 これは水だ、いい茶だ、魂のパンだ 北原白秋