書籍詳細
イキョウノモダニズム
異郷のモダニズム
満洲写真全史
- 発売日
- 2017/04
- 判型
- B5判
- ISBN
- 978-4-336-06157-7
- ページ数
- 256頁
定価 3,850円(本体価格3,500円)
内容紹介
満洲を含む中国各地を記録した『亜東印画輯』、淵上白陽と〈満洲写真作家協会〉によって展開された芸術写真、武藤富男によって制度化された「登録写真」、『FRONT』『MANCHOUKUO』などプロパガンダを彩った華やかなるグラフ雑誌、そしてポーレー・ミッションによって撮影された戦後満洲の姿――。当時制作されたヴィンテージプリントなど300 点を超える写真と論考により、「満洲写真史」の変遷をつぶさに跡付ける決定版!
著者紹介
竹葉丈 (タケバジョウ)
1961年生まれ。名古屋市美術館学芸員。現代美術、写真( 史)に関する調査、展覧会企画に携わる。主な企画展覧会に、『名古屋のフォト・アヴァンギャルド』(1989 年)『異郷のモダニズムー淵上白陽と満洲写真作家協会』(1994年)『ジェームズ・タレルー夢のなかの光はどこからくるのか?』(1997年)『THE HISTORY OF JAPANESE PHOTOGRAPHY』(2003年、The Museum of Fine Arts, Houston, The Cleveland Museum of Art)『河口龍夫ー
見えるものと見えないもの』(2007年)『写真家・東松照明全仕事』(2011年)、「異郷のモダニズムー満洲写真全史」(2017年)など。主な編著書に『日本の写真家6 淵上白陽と満洲写真作家協会』(共著、1998年、岩波書店)『コレクション日本シュールレアリスム3 シュールレアリスムの写真と批評』 (2001年、本の友社) など。2018 年、展覧会「異郷のモダニズム―満洲写真全史」ならびに同展図録出版(2017年、国書刊行会)により、日本写真協会学芸賞、第30回写真の会特別賞を受賞。
森仁史 (モリヒトシ)
1949年生まれ。1984‐2009年松戸市教育委員会学芸員。2009‐14年金沢美術工芸大学大学院教授。2014年金沢美術工芸大学柳宗理記念デザイン研究所所長、現在同シニア・ディレクター。専門は工芸・デザイン史。日本近代における工芸・デザインを包括的にとらえて研究。主な著書に『ジャパニーズ・モダン――剣持勇とその世界』(国書刊行会、2005年)、『日本〈工芸〉の近代』(吉川弘文館、2009年)、『美術の日本近現代史』(共編、東京美術、2014年)などがある。
井村哲郎 (イムラテツオ)
1943年生まれ。元新潟大学大学院現代社会文化研究科教授。専門は中国東北(満洲)を中心とする東洋史、満鉄調査部史。主な編著書に『戦前期アジア関係日本語逐次刊行物目録 : 米国議会図書館所蔵』(アジア経済研究所、1995年)、『満鉄調査部 : 関係者の証言』(アジア経済研究所、1996年)、『中国占領地の社会調査』(共編、2013-14年、近現代資料刊行会)、『満鉄調査部と中国農村調査 : 天野元之助中国研究回顧』(共編、不二出版、2008年)などがある。
野口里佳 (ノグチリカ)
1971年生まれ。写真家。1992年に写真作品の制作を始め、以来国内外で展覧会を中心に活動。2002年芸術選奨文部科学大臣新人賞(美術部門)を受賞 。主な個展に、「予感」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2001)、「飛ぶ夢を見た」(原美術館、2004)、「光は未来に届く」(Izu Photo Museum、2011—2012)などがある。
目次
はじめに―近代日本の光と影
I. 大陸の風貌―櫻井一郎と〈亜東印画協会〉
II. 移植された絵画主義―淵上白陽と〈満洲写真作家協会〉
III. 宣伝と統制―満洲国国務院弘報処と登録写真制度
IV. プロパガンダとグラフィズムの諸相―1930年代写真表現の行方
V. 廃墟への「査察」―ポーレー・ミッション・レポート
満洲写真史年表
満洲国地図
掲載図版リスト