書籍詳細
シンペンウキヨゾウシカイダンシュウ
新編浮世草子怪談集
- 発売日
- 2016/08/23
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 978-4-336-06035-8
- ページ数
- -頁
定価 5,940円(本体価格5,400円)
内容紹介
東雅夫氏、ロバート・キャンベル氏推薦!
妖しくも豊沃な江戸の怪談文芸の世界へと誘う選集。
第一巻は浮世草子時代の怪奇譚の佳品3作を集成。
因果応報にまつわる物語をあまた蒐集した奇譚集の至宝『玉櫛笥』『玉箒子』。
子を失った母親の悲しみを御家騒動や天狗譚の筋立てを交えて描いた隅田川物伝奇長編の傑作『都鳥妻恋笛』。
了意から秋成に至るまでの、
幻想と怪奇のミッシングリンクをつなぐ怪奇譚の数々を、いざここに紹介!
***作品別 各話目次***
『玉櫛笥』/林義端 元禄8年(1695)
校訂=木越治・金永昊
<全31話>
第一巻
養老滝 付たり 美濃国司孝行物語の事
経を読む猿の記
闇夜の牛鬼の事
信州の在郷大地に沈み、大鱸人を呑む事
第二巻
赤井強左衛門土佐坊が幽霊に逢ふ事
瞽者三世を知る事
親子の奇遇 付たり 杉田が妻嫉妬の事
三浦荒次郎討死 付たり 和尚道歌の事
狐人に化けて貴狐明神物語の事
第三巻
畜生塚
老蘇の森絵馬夜行の事
沢井何某が子兄弟観音の霊験を蒙る事
松永弾正地獄に堕る事
第四巻
少年夢の契の事
岸部何某少年を愛し兵法伝授の事
少年蹴鞠の縁
雲林院業平二条の后幽霊の事
松木主膳危うき難を脱れ親の敵を討つ事
第五巻
川木黒河が幽霊佐々木が先陣を評する事
山伏再生して怨を報ずる事
将軍義村公都落 付たり 焼火奇瑞の事
醍醐の山白狼の事
第六巻
山中の伶人 付たり 北山金閣花麗の事
水精の数珠
屠牛の応報の事
三位国孝奇病の事
松尾与一郎異僧に逢ひ灯籠見物の事
死後の遊魂変を為す事
第七巻
白鬚の社壇諸神会合の事
阿蘇の仙境 付たり 遊女人を誑す事
鬼神袖の中に入る事
『玉箒子』/林義端 元禄9年(1696)
校訂=木越治・金永昊
<全17話>
第一巻
序
東叡山観音出現利益の事
山中妖物実検の事
六道辻 付けたり 小野篁の事
河野の妻離魂病 付けたり 狐命乞の事
第二巻
蝦蟆の妖怪
碁子の精霊 付けたり 右衛門桜の事
飯田孫兵衛地獄を見る事
第三巻
詩人の亡魂月見の会 付けたり 清水寺詩の事
増田蔵人独敵城に入る事
果心居士幻術の事
第四巻
波路の文匣
邪婬の苦報 付けたり 入定奇瑞の事
第五巻
戸田一刀斎が兵法の事
酒家子ゆへに滅却の事
死霊問答付けたり 結城戦の物語
第六巻
大仏建立 付けたり 善光寺如来入洛の事
禅僧舩中の横死 付けたり 白昼の幽霊の事
『都鳥妻恋笛』/江島其磧 享保19年(1718)
校訂=木越治・加藤十握
<長編 全五巻>
第一巻
第二巻
第三巻
第四巻
第五巻
解説=木越治・金永昊・加藤十握
著者紹介
木越治 (キゴシオサム)
一九四八年石川県生まれ。東京大学大学院博士課程中退。現在、金沢大学名誉教授。専攻、日本古典文学。
上田秋成・井原西鶴等の近世小説に関する論文を発表するほか、落語・講談などの話芸の研究、また、明治期の国文学者及び美術史家藤岡作太郎に関する研究に従事。
著書に『秋成論』(ぺりかん社、一九九五年)、『講談と評弾』(八木書店、二〇一〇年)、編著に『新日本古典文学大系 本朝水滸伝 紀行 三野日記 折々草』(岩波書店、一九九二年、共編)、『叢書江戸文庫 浮世草子怪談集』(国書刊行会、一九九四年)、『秋成文学の生成』(森話社、二〇〇八年、共編)、『上田秋成研究事典』(笠間書院、二〇一六年)、など。
加藤十握 (カトウトツカ)
一九六九年東京都生まれ。現在、私立武蔵高等学校中学校教諭。立教大学大学院博士前期課程修了。専攻、日本近世文学。
著書に『読んでおきたいとっておきの名作25』(旺文社、二〇一五年、共著)、『上田秋成研究事典』(笠間書院、二〇一六年、共著)、論文に「陶山訥庵の歌書小考―『詠学和歌』を中心に」(『立教大学日本文学』第一〇五号、二〇一〇年)、「近江の猿田彦―『春雨物語』「目ひとつの神」小考」(『読本研究新集』第六集、読本研究の会、二〇一四年)など。
金永昊 (キムヨンホ)
一九七三年韓国生まれ。金沢大学大学院博士後期課程修了。現在、東北学院大学教養学部言語文化学科准教授。専攻、日本近世文学。
著書に『浅井了意怪異小説の成立と性格』(ジェイエンシー、二〇一二年、韓国)、訳注に『諸国百物語訳注』(人文社、二〇一三年、韓国)、論文に「浅井了意の『三綱行実図』翻訳」(『近世文藝』九一号、二〇一〇年)など。
目次
玉櫛笥
玉箒子
都鳥妻恋笛
解説