書籍詳細
シンペンニホンゲンソウブンガクシュウセイダイヨンカン
新編・日本幻想文学集成 第4巻
- 発売日
- 2016/12/21
- 判型
- ISBN
- 978-4-336-06029-7
- ページ数
- -頁
定価 6,380円(本体価格5,800円)
内容紹介
●第4巻 語りの狂宴
◎騙りの力により宇宙を創出する無類の語り部たち
夢野久作[1889-1936]
堀切直人編
少女の不可思議な予知能力を描いた「人の顔」。乗った船舶を必ず沈没させる奇妙な美少年の話「難船小僧」。謎の人形部屋の物語「白菊」。ほか、「死後の恋」「微笑」「卵」「童貞」「怪夢」「木魂」全9編。
小栗虫太郎[1901-46]
松山俊太郎編
中国辺境の人外魔境にいどむ「紅軍巴蟆を越ゆ」。韃靼海峡の暗黒地を踏破した男の冒険「海螺斎沿海州先占記」。苗族共産軍支配地域で起こった陰惨なる謎の毒殺事件「完全犯罪」。全3編。
岡本綺堂[1872-1939]
種村季弘編
暗闇の中で両眼が青く光る怪奇な仮面の物語「猿の眼」。器物怪談「兜」。ほか、「鰻に呪はれた男」「影を踏まれた女」「魚妖」「火薬庫」「穴」「蟹」「置いてけ堀」「停車場の少女」「黄い紙」「鎧櫃の血」ほか全13編。
泉鏡花[1873-1939]
須永朝彦編
水辺で月光をすくう少女の怪異譚「光籃」。人間をさらった天狗が皇室と将軍家の吉凶を占う「妖魔の辻占」。ナンセンス物語「雨ばけ」。ほか、「化鳥」「印度更紗」「伯爵の釵」「処方秘箋」「蠅を憎む記」「二世の契」「貴婦人」全10編の小説と戯曲「紅玉」を収録。
著者紹介
夢野久作 (ユメノキュウサク)
明治22 (1889)年1月4日福岡に生まれる。本名杉山泰道。幼名直樹。法号萠圓。父杉山茂丸は近代における政界の黒幕といわれた。旧制修猷館中学を卒業後、近衛歩兵連隊に入隊。慶応義塾大学に入学後、大正2(1913)年に中退。放浪生活ののちに出家し、僧侶となる。大正6(1917)年に還俗し、父の出資による農園を経営する傍ら執筆を開始。結婚し、喜多流の謡曲教授となる。大正8(1919)年に九州日報に入社、記者となる。大正15 (1926)年に「あやかしの鼓」を発表し作家活動を始める。昭和10(1935)年「ドグラ・マグラ」を出版。昭和11年(1936)3月11日逝去、享年47歳。
小栗虫太郎 (オグリムシタロウ)
岡本綺堂 (オカモトキドウ)
泉鏡花 (イズミキョウカ)
1873-1939年。小説家。代表作に「高野聖」「草迷宮」「歌行燈」ほか。
堀切直人 (ホリキリナオト)
松山俊太郎 (マツヤマシュンタロウ)
1930年東京都生まれ。インド学者、幻想文学研究家。英語やサンスクリット語の他、フランス語やアラビア語などにも堪能な「異能の人」。女子美術大学教授、國學院大學講師、多摩美術大学講師、美学校講師などを歴任。
種村季弘 (タネムラスエヒロ)
1933年~2004年。東京大学文学部独文科卒。國學院大學教授。著作集『種村季弘のネオ・ラビリントス』全8巻(河出書房新社)、訳書ホッケ『迷宮としての世界』美術出版社(共訳)、『怪奇・幻想・綺想文学集 種村季弘翻訳集成』(国書刊行会)などがある。
須永朝彦 (スナガアサヒコ)
1946年、栃木県生まれ。歌人・作家。 著書に、「鉄幹と晶子 」(評伝)、「東方花傳」(歌集)、「就眠儀式」(吸血鬼譚集)等がある。