書籍詳細
シンペンニホンゲンソウブンガクシュウセイダイニカン
新編・日本幻想文学集成 第2巻
- 発売日
- 2016/08/24
- 判型
- A5判
- ISBN
- 978-4-336-06027-3
- ページ数
- 712頁
定価 6,380円(本体価格5,800円)
内容紹介
◎小説なのかエッセイなのか? 虚実のあわいを縫う迷宮
●澁澤龍彦[1928-87]富士川義之編
虚空に飛ぶ能力を持った蹴鞠の名人の物語「空飛ぶ大納言」。魔道によって中国の皇帝が画の中に生きた自分の姿を見る「桃鳩図について」。ほか、「鳥と少女」「犬狼都市」「エピクロスの肋骨」「ダイダロス」「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」「鏡と影について」「女体消滅」「画美人」「護法」全11編。
●吉田健一[1912-77]富士川義之編
奇想天外な食物幻想譚「饗宴」。飲み屋で偶然知り合った大男が突然大亀に変身する「海坊主」。ほか、「空蝉」「道端」「或る田舎町の魅力」「逃げる話」「沼」「邯鄲」「ホレス・ワルポオル」「酒の精」等全11編。
●花田清輝[1909-74]池内紀編
中世室町時代を舞台にして、考証と空想のはざまを自在に往還する「伊勢氏家訓」「開かずの箱」。数に取り憑かれた青年の話「七」。ほか、「林檎に関する一考察」「歌」「海について」「ものぐさ太郎」「石山怪談」「鏡の国の風景」「『ドン・キホーテ』註釈」「テレザ・パンザの手紙」等全16編。
●幸田露伴[1867-1947]種村季弘編
夢の中の生と生の中の夢が迷路の中で呼びかわす「土偶木偶」。魔界ファンタジー「新浦島」。ほか、「望樹記」「雪たたき」「ウッチャリ拾ひ」。「神仙道の一先人」「芳野山の仙女」等のオカルト随筆3編も収録。
著者紹介
澁澤龍彦 (シブサワタツヒコ)
1928-1987年。フランス文学者、作家。代表作に『唐草物語』、『高丘親王航海記』、作品集成に「澁澤龍彦全集」、「澁澤龍彦翻訳全集」(共に河出書房新社)など。
吉田健一 (ヨシダケンイチ)
1912年、東京生まれ。父吉田茂に従って海外各地で育った。ポーやヴァレリーの翻訳から文学活動を開始し、反ロマン主義的批評を数多く執筆するかたわら、『瓦礫の中』など多くの小説も手掛けた。主な著作に『吉田健一全集』がある。
花田清輝 (ハナダキヨテル)
幸田露伴 (コウダロハン)
1867年、江戸下谷生まれ。1889年、処女作「露団々」で文壇の注目を集め、続く「風流仏」で文名を一躍高めた。1937年に第一回文化勲章を受章、1947年に亡くなるまで多くの小説・エッセイを遺す。明治・大正・昭和の三代にわたり活躍した近代幻想文学の巨人である。
富士川義之 (フジカワヨシユキ)
1938年生まれ。評論家・英文学者。著者に、『風景の詩学』『記憶のランプ』『幻想の風景庭園』など。
池内紀 (イケウチオサム)
1940年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。ドイツ文学者。主要著訳書:『ウィーンの世紀末』白水社(1981年)、『温泉』白水社(1982年)、『恋愛読本』彌生書房(1984年)、『猿飛レゲンデ』沖積舎(1985年)、ブライ『同時代人の肖像』法政大学出版局(1981年)、アメリー『罪と罰の彼岸』法政大学出版局(1985年)など。
種村季弘 (タネムラスエヒロ)
1933年~2004年。東京大学文学部独文科卒。國學院大學教授。著作集『種村季弘のネオ・ラビリントス』全8巻(河出書房新社)、訳書ホッケ『迷宮としての世界』美術出版社(共訳)、『怪奇・幻想・綺想文学集 種村季弘翻訳集成』(国書刊行会)などがある。
目次
澁澤龍彦 富士川義之編
都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト
護 法
ダイダロス
画美人
桃鳩図について
鏡と影について
女体消滅
空飛ぶ大納言
鳥と少女
犬狼都市
エピクロスの肋骨
解説 リヴレスクな文学者
吉田健一 富士川義之編
海坊主
饗 宴
或る田舎町の魅力
沼
逃げる話
邯 鄲
空 蝉
酒の精
道 端
ホレス・ワルポオル
時 間 より第Ⅰ章
解説 酒には精神がある
花田清輝 池内紀編
歌
球面三角
『ドン・キホーテ』註釈
楕円幻想
テレザ・パンザの手紙
林檎に関する一考察
鏡の国の風景
海について
七
ものみな歌でおわる 第一幕第一景
ものぐさ太郎
御伽草子
開かずの箱
伊勢氏家訓
石山怪談
舞の本
解説 テレザ・パンザの手紙 第二信
幸田露伴 種村季弘編
雪たたき
望樹記
ウッチャリ拾ひ
土偶木偶
新浦島
芳野山の仙女
神仙道の一先人
楊貴妃と香
解説 無鉄砲な隠遁
年 譜