書籍詳細
テイホンユメノキュウサクゼンシュウ
定本 夢野久作全集 第7巻
- 発売日
- 2020/08
- 判型
- A5判
- ISBN
- 978-4-336-06020-4
- ページ数
- 752頁
定価 11,000円(本体価格10,000円)
内容紹介
歿後80年記念出版。多彩な活動の全貌を集大成した決定版全集。第7巻は評論、随筆ほかを収録。
著者紹介
夢野久作 (ユメノキュウサク)
明治22 (1889)年1月4日福岡に生まれる。本名杉山泰道。幼名直樹。法号萠圓。父杉山茂丸は近代における政界の黒幕といわれた。旧制修猷館中学を卒業後、近衛歩兵連隊に入隊。慶応義塾大学に入学後、大正2(1913)年に中退。放浪生活ののちに出家し、僧侶となる。大正6(1917)年に還俗し、父の出資による農園を経営する傍ら執筆を開始。結婚し、喜多流の謡曲教授となる。大正8(1919)年に九州日報に入社、記者となる。大正15 (1926)年に「あやかしの鼓」を発表し作家活動を始める。昭和10(1935)年「ドグラ・マグラ」を出版。昭和11年(1936)3月11日逝去、享年47歳。
西原和海 (ニシハラカズミ)
1942年、中国・哈爾濱生まれ。文芸批評、満洲国史研究。編著に『夢野久作の世界』、『夢野久作著作集』など。
川崎賢子 (カワサキケンコ)
1956年、宮城県生まれ。文芸・演劇評論家。日本近代文学研究者。博士(文学)。日本大学芸術学部芸術研究所研究員など。著書に『尾崎翠 砂丘の彼方へ』『もう一人の彼女 李香蘭/山口淑子/シャーリー・ヤマグチ』『宝塚 変容を続ける「日本モダニズム」』など。
沢田安史 (サワダヤスシ)
ミステリ研究者。SRの会、『新青年』研究会に所属。
谷口基 (タニグチモトイ)
1964年、東京生まれ。日本近代文学研究者。茨城大学人文学部教授。著書に『戦前戦後異端文学論』『怪談異譚』『戦後変格派・山田風太郎』『変格探偵小説入門』、共著に『闇のファンタジー』など。
目次
Ⅰ 人物伝
近世快人伝
日韓合併思ひ出話
父杉山茂丸を語る
父・杉山茂丸
玄洋社からどんな人物が出たか─玄洋社とはどんな所か
頭山満先生
Ⅱ 能楽
謡曲徒然草
喜多實氏の「熊坂」と「海女」
宝生流素謡会
遅蒔ながら
武術と能楽
能とは何か
非現実な安宅と現実的な石橋
喜多流院外団
三輪と隅田川
遠慮なく笑つて下さい─能を見る学生諸君へ
實さんの精神分析
見かけによらない
直木三十五氏へ
名人とは……
梅津只圓翁伝
堅実無比
天狗鉢合はせ─池内さんと私と
六平太と万三郎
喜多流演能会
宝生流演能会を観る
友枝氏の「望月」と梅津氏の「桜川」
震災後の能楽界
梅若派演能評[1]
田舎謡と東京謡
舟なしの鬼界島
喜多会催能評
能の女の美
福岡の狂言界
金春流演能
梅若派演能評[2]
宝生流演能評
「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能
みのる君の悪口
日本人と能楽
道成寺不見記
能界万華鏡
能楽を愛すればこそ
Ⅲ 探偵小説
所 感
ざんげの塔
ゐなか、の、じけん 備考
チヤンバラ
ナンセンス
江戸川乱歩氏に対する私の感想
涙香・ポー・それから
怪青年モセイ
本格小説の常道
挿絵と闘つた話
「金色藻」読後感
書けない探偵小説
我もし我なりせば
探偵小説の正体
呑仙士
スランプ
やつつけられる
探偵小説の真使命
甲賀三郎氏に答ふ
私の好きな読みもの
創作人物の名前について
探偵小説漫想
恐ろしい東京
Ⅳ その他
翡翠を読んで
新聞を読み乍ら
顔
『外人の見たる日本及日本青年』はしがき
外人の見たる日本及日本青年
繋驢橛
物価騰貴に就て
三等哲学
両重関
湯気の中で
鼻の表現
琵琶座頭
極端な個人主義
頭が象徴する文化
おもひちがひ
博多ツ児の定義
片仮名崇拝
即身成仏
不景気
塵
襟元を見る
乞食の叫び
ひでり
路傍の木乃伊
二科展を見て
お茶の湯満腹談
女性と服装
親馬鹿ちやんりん
加藤介春を怨む
ビール会社征伐
古き日記より
自己を公有せよ
机上空論
良 心
第一義
モツト真剣に─九州文化のために
解 題