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書籍詳細

義と仁叢書 8

オヤブンコブンキョウカクノセイスイシ

親分子分〔侠客〕の盛衰史

町奴・火消・札差=旦那・博徒=義賊

白柳秀湖

発売日
2016/07/20
判型
四六判
ISBN
978-4-336-05978-9
ページ数
356頁

定価 4,070円(本体価格3,700円)

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内容紹介

江戸から戦前まで深く社会に関わってきたにもかかわらず歴史の表舞台に登場しない侠客を、町奴、火消、札差=旦那、博徒=義賊の四つに分け、歴史社会学的に考察。江戸中期、都市の勃興、市民権の発達。武家は衰退し浪人が現れる一方で農村は荒廃し農民は漂泊。悪政に苦しみ流浪、遊民となり親分子分として生き延びた。本書は侠客研究の白眉であると同時に江戸社会裏表の案内書となっている。市井の歴史家白柳秀湖による「親分子分 侠客篇」( 1912年)の現代語版。

著者紹介

白柳秀湖 (シラヤナギシュウコ)

本名は武司。1884年静岡生まれ。早稲田大学哲学科卒業。堺利彦、幸徳秋水らの影響を受けて平民社に参加し、社会主義文学の先駆的作品『駅夫日記』を発表。後に評論家、歴史家として活躍した。著書に「世界経済闘争史」「日本民族論」 「民族日本歴史」「国難日本歴史 」などがある。

目次

刊行にあたって
目次
一、町奴の巻
  1 戦のような敵討
  2 わがままも権利の一つ
  3 旗本と大名との抗争
  4 寛永武士気質
  5 雨やんで雲いまだ晴れず
  6 新秩序の生まれる前の悩み
  7 神祇組、白柄組の主要人物
  8 旗本の尻押しをしたお歴々
  9 兼松又四郎、小栗又一の剛直
  10 名物男近藤登之助、同縫殿之助 
  11 旗本奴の風俗および気質
  12 六方者、六方風および六方詞
  13 水野十郎左衛門の驕傲
  14 都市の平和を脅かした戦国殺伐の余風
  15 街上の血まみれ騒ぎ
  16 欧州中世紀の市民兵と日本の町奴
  17 町奴の主要人物
  18 勇士が戦場で死の恐怖に戦慄した物語
  19 町奴の職業と生活費
  20 侠客は江戸の特産物にあらず
  21 水野十郎左衛門と幡随院長兵衛
  22 長兵衛の最期、旗本奴の断罪
  23 町奴の一網打尽、唐犬権兵衛の最期
  24 放駒四郎兵衛と夢の市郎兵衛
  25 末派の乱暴は止むを得ず

二、町火消の巻
  26 貧困に駆られた旗本の暴行 
  27 『鑓の権三』に代表される元禄武士気質
  28 江戸文化爛熟期の上空を吹いた経済の気流
  29 小三金五郎に代表される文化文政武士気質
  30 河内山宗春の事
  31 明暦大火の惨害
  32 町火消の起源及び組織
  33 纏は焦げても一歩も退かぬ
  34 『ろ』組の丑右衛門と『に』組の八右衛門
  35 純然たる市民の雇兵
  36 二本榎の伝兵衛
  37 細川侯の眷顧を受けた伝兵衛
  38 「い」組の伊兵衛と金豪竹原
  39 小網町の血の雨、伊兵衛の奮闘
  40 仲直りに千両積んだ一番組
  41 野狐三次と新門辰五郎
  42 江戸最後の侠客
  43 「め」組と相撲との大格闘

三、旦那男達の巻
  44 旦那芸の男伊達
  45 紀文と奈良茂の金の遣い振り
  46 山東京伝と十八大通
  47 大和屋文魚と大口屋暁雨
  48 暁雨と「花川戸助六」

四、博徒および義賊の巻
  49 「旅人」に対して特殊の社会的使命を持った田舎の侠客
  50 「貸元」の常識、収入およびその地方ブルジョアとの関係
  51 田舎の侠客の分布と徳川氏の譜代大名配置
  52 譜代大名の移封と農村の疲憊
  53 餓死するまで搾取された譜代並に天領の農民
  54 新田の開発と見取法の弊
  55 盗賊日本左衛門
  56 悪政と平行した天災事変
  57 浅間山の噴火と罹災民の一揆
  58 天明大飢饉の惨状
  59 捕えてみれば下郎の手にもおえる稲葉小僧新助
  60 賭博が下手で金放れが好かった鼠小僧次郎吉
  61 天保の凶荒、大塩平八郎
  62 大前田英五郎、清水次郎長及び国定忠治
  63 忠治抜刀して関を破る
  64 大袈裟なる出兵沙汰 
  65 一城を築くほどの勢力

巻末特集1 白柳秀湖の魅力
巻末特集2 『親分子分・政党編』と五・一五事件