書籍詳細
フタツノジンセイ
ふたつの人生
- 発売日
- 2017/10/24
- 判型
- 四六変型判
- ISBN
- 978-4-336-05917-8
- ページ数
- 488頁
定価 2,860円(本体価格2,600円)
内容紹介
施設に収容されたメアリー・ルイーズの耳には、今もロシアの小説を朗読する青年の声が聞こえている――夫がいながら生涯秘められた恋の記憶に生きる女の物語「ツルゲーネフを読む声」。ミラノへ向かう列車内で爆弾テロに遭った小説家ミセス・デラハンティは同じ被害者の老人と青年と少女を自宅に招き共同生活を始める。やがて彼女は心に傷を負った人々の中に驚くべき真相を見いだしていく……「ウンブリアのわたしの家」。ともに熟年の女性を主人公にした、深い感銘と静かな衝撃をもたらす傑作中篇2作を収録。
著者紹介
ウィリアム・トレヴァー (ウィリアムトレヴァー)
1928年、アイルランドのコーク州生まれ。トリニティ・カレッジ・ダブリンを卒業後、教師、彫刻家、コピーライターなどを経て、60年代より本格的な作家活動に入る。65年、第二作「同窓」がホーソンデン賞を受賞、数多くの賞を受賞している(ホイットブレッド賞は3回)。短篇の評価はきわめて高く、初期からの短篇集7冊を合せた短篇全集(1992年)はベストセラー。現役の最高の短篇作家と称され、ノーベル文学賞候補にもたびたび名前が挙がった。長篇作に『フールズ・オブ・フォーチュン』(論創社)『フェリシアの旅』(角川文庫)『恋と夏』(小社刊)、短篇集に『聖母の贈り物』『アイルランド・ストーリーズ』『異国の出来事』『ふたつの人生』(以上小社刊)『密会』(新潮社)『アフター・レイン』(彩流社)などがある。2016年逝去。
栩木伸明 (トチギノブアキ)
1958年生まれ。上智大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程単位取得退学。現在、早稲田大学教授。専攻は現代アイルランド文学・文化。著書に『アイルランド紀行』(中公新書)『アイルランドモノ語り』(みすず書房、読売文学賞受賞)、訳書にキアラン・カーソン 『シャムロック・ティー』(東京創元社)コルム・トビーン『ブルックリン』(白水社)ブルース・チャトウィン『黒ケ丘の上で』(みすず書房)などがある。