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書籍詳細

エンゲキガクヘノイザナイ

演劇学へのいざない

研究の基礎

エリカ・フィッシャー=リヒテ
山下純照石田雄一高橋慎也新沼智之

発売日
2013/04/18
判型
A5判
ISBN
978-4-336-05639-9
ページ数
362頁

定価 3,960円(本体価格3,600円)

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内容紹介

グローバルな領域で演劇研究をおこない、国際演劇学会長も務めた著者が、長年にわたる研究と教育の集大成として著した、これから演劇学を学ぼうと志す人、さらには演劇学を研究対象として選択する人にとっての、実りある学びのための、類を見ない入門書。

著者紹介

エリカ・フィッシャー=リヒテ (エリカフィッシャーリヒテ)

1943年ドイツ・ハンブルク生まれ。ベルリン自由大学およびハンブルク大学で、演劇学・スラヴ学・ドイツ学・哲学・心理学・教育学などを専攻。ベルリン自由大学より博士学位取得(スラヴ学)。フランクフルト、バイロイト、マインツの各大学で教える。1996年ベルリン自由大学演劇学科主任教授。2011年同大学名誉教授。現在、同大学「パフォーマンスにおける諸文化の編み合わせ」国際研究センター代表。グローバルに客員教授および講演活動を行ない、来日も5度以上を数える。1995年―1999年国際演劇学会長。2011年ドイツ演劇協会賞「ファウスト」受賞。著書『演劇記号論』(全三巻、1983年)、『ドイツ演劇の小さな歴史』(1993年)、『自文化演劇と他文化演劇』(1999年)、『パフォーマティヴなものの美学』(2004年。邦訳:『パフォーマンスの美学』論創社、2009年)など多数。編著書『ドラマと演出』(1985年)、『演劇学の研究領域』(1994年)、『演劇アヴァンギャルド』(1995年)、『トランスフォーメーション―90年代の演劇』(1999年)、『身体化』(2001年)、『知覚とメディア性』(2001年)、『儀礼性と境界』(2003年)、『文化モデルとしての演劇性』(2004年)、『メッツラー・レキシコン演劇理論』(2005年)など多数。

山下純照 (ヤマシタヨシテル)

1959年神奈川県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程芸術学専攻演劇学研究分野単位取得退学。現在、成城大学文芸学部教授。専攻、演劇学。
主要論文――「上演はいかにして想起されるか」(『演劇論の現在』白凰社、1999年所収)、「記憶としての演劇」(大阪大学演劇学研究室編『演劇学論叢』第3号、2000年)、「ジョージ・タボリ『記念日』にみるユダヤ的アイデンティティの構築―最終場の決定と解釈をめぐって」(日本演劇学会紀要『演劇学論集』45、2007年)。

石田雄一 (イシダユウイチ)

1964年東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。文学博士(東京大学大学院人文社会系研究科)。現在、中央大学法学部教授。専攻、ドイツ演劇・ドイツ文学。
主要論文――「演劇が聞こえる風景―ハイナー・ミュラーの『絵の記述』と『ヴォロコラムスク幹線路』を例に」(『近代劇の変貌』中央大学出版部、2001年所収)、「祭儀の物語性と劇性について―カロリング朝時代のミサの変化を例に」(『「語り」の諸相』中央大学出版部、2009年所収)。

高橋慎也 (タカハシシンヤ)

1954年山形県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、中央大学文学部教授。専攻、ドイツ演劇・ドイツ文学。
主要論文――「ドイツ統一後のベルリン演劇の展開」(『中央大学文学部紀要』100、2007年)、「テロリズムの記憶と映像芸術」(『日本ドイツ学会紀要』42、2008年)、「マルターラー演劇の「孤独」のモチーフとパフォーマンス性:演劇ドキュメンタリー映画『家族会議(Familientreffen)』を題材として」(中央大学ドイツ学会『ドイツ文化』67、2012年)。

新沼智之 (ニイヌマトモユキ)

1978年東京都生まれ。明治大学大学院博士後期課程単位取得退学。現在、明治大学(文学部演劇学専攻)ほか非常勤講師。専攻、演劇学。
主要論文――「ヨーハン・ヤーコプ・エンゲルの『演劇身振りのための理念』」(日本演劇学会紀要『演劇学論集』48、2009年)、「ドイツ演劇の近代化の出発点―コンラート・エクホーフの試行錯誤」(『演劇の課題』三恵社、2011年所収)、「18世紀後半のドイツにおけるアンサンブル演技理念の萌芽と劇団規則」(西洋比較演劇研究会『西洋比較演劇研究』(第12巻2号、2013年)。

目次

まえがき
プロローグ:全て演劇?
第Ⅰ部 対象と基本概念
  第一章 演劇概念
  第二章 学科の歴史について
  第三章 上演概念に関する考察
    三-一 肉体の共在
    三-二 上演の束の間性
      三-二-一 空間性
      三-二-二 身体性
      三-二-三 音響性
    三-三 意味の生成
    三-四 上演の出来事性、および観客によるその経験
第Ⅱ部 研究領域・理論・方法
  第四章 上演分析
    四-一 理論的予備考察
      四-一-一 知覚
      四-一-二 想起
      四-一-三 言語化
    四-二 分析の実践
      四-二-一 問題設定
      四-二-二 方法
      四-二-三 現象学的アプローチ
      四-二-四 記号論的アプローチ
      四-二-五 分析例
    四-三補遺 上演と戯曲
  第五章 演劇史研究
    五-一 理論的前提
      五-一-一 上演ジャンルと演劇概念
      五-一-二 歴史概念
       五-一-三 時代形成
    五-二 歴史研究の実践
      五-二-一 問題設定
      五-二-二 史料
      五-二-三 方法
  第六章 理論形成
    六-一 「理論」とは何か
      六-一-一 概念規定
      六-一-二 諸概念
      六-一-三 妥当性の要求と射程
    六-二 理論の開発
      六-二-一 既存の理論の変容
      六-二-二 理論の検証
      六-二-三 理論と実践
第Ⅲ部 拡大と相互関係
  第七章 上演における諸文化の編み合わせ
    七-一 「自己」の演劇と「他者」の演劇
    七-二 編み合わせのプロセス
      七-二-一 二〇世紀初めの数十年間における編み合わせ
      七-二-二 一九七〇年代以降の上演における諸文化の編み合わせ 
    七-三 ローカル化とグローバル化
  第八章 諸芸術の上演
    八-一 演劇とその他の芸術
      八-一-一 演劇上演の中での様々な芸術の関係
      八-一-二 関与する諸芸術の変化が引き起こした演劇の変化
    八-二 諸芸術を上演としてパフォーマンス化する
    八-三 間メディア性とハイブリッド化
  第九章 文化上演
    九-一 演劇、および他ジャンルの文化上演
    九-二 新しい作用美学、あるいは「アプライドシアター応用演劇」?
    九-三 文化上演
      九-三-一 演出と上演
      九-三-二 様々なジャンルの交錯
エピローグ:全て演劇?
原注
文献表
訳者あとがき
事項索引
作品名索引
人名索引