書籍詳細
トウザイブンカノジバ
東西文化の磁場
日本近代の建築・デザイン・工芸における境界的作用史の研究
- 発売日
- 2013/03/19
- 判型
- A5判
- ISBN
- 978-4-336-05636-8
- ページ数
- 356頁
定価 5,500円(本体価格5,000円)
内容紹介
東洋の文化と西洋の文化、両者の影響の下で生み出され、その拮抗の中で劇的な変貌を遂げてきた近代以後の日本文化。形成のプロセスにはらまれる問題の再検討、内在する光と影の考察、ジャンルの枠を越えた相互作用の具体的解明を通し、これからのわれわれの文化の在り方を提示する、最先端の論考。
著者紹介
山野英嗣 (ヤマノヒデツグ)
1952年大阪府生まれ。関西大学大学院文学研究科博士課程前期課程修了。現在、京都国立近代美術館学芸課長。専攻、近代美術・デザイン史。
主要編著書―『デザインとバウハウス』(ゆまに書房、2008年)、京都国立近代美術館監修『復刻版 インターナショナル建築 全29冊』(国書刊行会、2008年)、『小出楢重画集』(東方出版、2002年)
目次
まえがき(岩城見一)
第1章 「建築」から見た境界的作用史
祝祭を通じて受容される近代都市空間――大正大礼で変わる京都を例として――(中川理)
上野伊三郎・リチの活動に見る「東西文化の磁場」(山野英嗣)
二〇世紀的彫刻から二一世紀的庭へ――イサム・ノグチの反モダニズム的転向――(新見隆)
第2章 「デザイン」から見た境界的作用史
京都高等工芸学校収蔵の日本美術資料――漆芸品を中心に――(並木誠士)
明治初期における「美術工業運動」の受容(籔亨)
ドイツ世紀転換期のデザインにおける日本と自然の言説をめぐる試論(池田祐子)
第3章 「工芸」から見た境界的作用史
芸術(日本画)と工芸(染織)の融合――明治期の京都――(廣田孝)
近現代における染織文化財の価値形成――日本における国指定文化財と民間コレクションの動向を中心に――(河上繁樹)
第4章 ジャンル、国境を超えた境界的作用史
モニスムスと生気論と生命中心主義――宮澤賢治/中原實/バウハウスにみる芸術と生命――(前田富士男)
大正期日本における蓄音機の教育的利用の事例――雑誌『音樂と蓄音機』と日本教育蓄音機協會の場合――(中川克志)
竹久夢二、超‐、脱‐境界的「画家(?)」――「夢二神話」のハイブリディズム――(岩城見一)
あとがき(山野英嗣)