書籍詳細
テイホンウエダアキナリケンキュウジョセツ
定本 上田秋成研究序説
- 発売日
- 2012/10/22
- 判型
- A5判
- ISBN
- 978-4-336-05479-1
- ページ数
- 532頁
定価 13,200円(本体価格12,000円)
内容紹介
昭和43年にごく少部数が刊行されたきり、長らく入手困難であった、近世文学の泰斗・高田衛の原点であり代表作である、上田秋成をめぐる研究書が遂に復刊なる。原本に新たに『春雨物語』に関する論考を付した決定版。
著者紹介
高田衛 (タカダマモル)
1930年生まれ。早稲田大学大学院修士課程、東京都立大学大学院博士課程修了。東京都立大学名誉教授。専攻、日本近世文学。著書に、『女と蛇』(筑摩書房)、『新編 江戸の悪霊祓い師』、『新編 江戸幻想文学誌』、『完本 八犬伝の世界』(以上ちくま学芸文庫)、『お岩と伊右衛門 「四谷怪談」の深層』(洋泉社)、『春雨物語論』(岩波書店)、編・校訂書に、『江戸怪談集』(上・中・下、岩波文庫)などがある。
目次
序―本書の著者に―(森山重雄)
まえがき
第一編 和訳太郎の世界
Ⅰ 「わやく」と中国白話小説―『諸道聴耳世間猿』の構造―
Ⅱ 「人の徳を損じ候書形」について―『諸道聴耳世間猿』序説―
Ⅲ 玉手箱女房説話の研究―和訳太郎の方法と技術―
第二編 『雨月物語』の構造
秋成との出会い(一)―怪談は文学たりえるか―
秋成との出会い(二)―秩序と私憤について―
Ⅰ 怪談の思想―『雨月物語』の美学―
Ⅱ 女人愛執の主題―「浅茅が宿」覚書―
Ⅲ 復讐の主題―私憤の文学的位置について―
Ⅳ 文体の思想―『雨月物語』文体論序説―
第三編 狂蕩・風流の文学
Ⅰ 「発憤」から「狂蕩」へ―秋成の精神史―
Ⅱ 紫蓮覚書―秋成、風流の試論として―
Ⅲ 日の神論争についての断章―宣長と秋成の思想の体質―
Ⅳ 『癇癖談』の位相―毒舌の風流について―
Ⅴ 『歌聖伝』の文献学について
Ⅵ 歌人余斎論
Ⅶ 俳人無腸論―「月や霰」の句をめぐって―
Ⅷ 死者の書についての断章―『胆大小心録』ノート―
Ⅸ 『春雨物語』の発想―その歴史意識をめぐっての試論―
あとがき
主要引用文献一覧
〔解説〕高田衛著『上田秋成研究序説』復刊によせて―若く新しい読者のために―(木越治)
『定本 上田秋成研究序説』あとがき
書名・論文名・作品名索引
人名索引