書籍詳細
内容紹介
日本の歴史は中国や西洋から見た世界史の中にではなく、どこまでも日本から見た世界史の中に位置づけられた日本の歴史でなくてはならない。そのような信念から書かれた大胆な日本通史への試み。ほかに関係文献が多数併載。
著者紹介
西尾幹二 (ニシオカンジ)
評論家。電気通信大学名誉教授。1935年東京生まれ。東京大学文学部独文科卒業。同大学院文学修士。文学博士。ドイツ文学者。ニーチェ、ショーペンハウアーの研究、翻訳をはじめ、文学、教育、社会、政治、国際問題等幅広く評論活動を行っている。最近では反原発を明確に打ち出し、人類の生命維持から訴えかける論点が注目されている。
目次
目 次
まえがき 歴史とは何か
1 一文明圏としての日本列島
2 時代区分について
3 世界最古の縄文土器文明
4 稲作文化を担ったのは弥生人ではない
5 日本語確立への苦闘
6 神話と歴史
7 魏志倭人伝は歴史資料に値しない
8 王権の根拠――日本の天皇と中国の皇帝
9 漢の時代におこっていた明治維新
10 奈良の都は長安に似ていなかった
11 平安京の落日と中世ヨーロッパ
12 中国から離れるタイミングのよさ――遣唐使廃止
13 縄文火焔土器、運慶、葛飾北斎
14 「世界史」はモンゴル帝国から始まった
15 西欧の野望・地球分割計画
16 秀吉はなぜ朝鮮に出兵したのか
17 GODを「神」と訳した間違い
18 鎖国は本当にあったのか
19 優越していた東アジアとアヘン戦争
20 トルデシリャス条約、万国公法、国際連盟、ニュルンベルク裁判
21 西洋の革命より革命的であった明治維新
22 教育立国の背景
23 朝鮮はなぜ眠りつづけたのか
24 アメリカが先に日本を仮想敵国にした(その一)
25 アメリカが先に日本を仮想敵国にした(その二)
26 日本の戦争の孤独さ
27 終戦の日
28 日本が敗れたのは「戦後の戦争」である
29 大正教養主義と戦後進歩主義
30 冷戦の推移におどらされた自民党政治
31 現代日本における学問の危機
32 私はいま日韓問題をどう考えているか
33 ホロコーストと戦争犯罪
34 人は自由に耐えられるか
原書あとがき
参考文献一覧
文庫版付論1 自画像を描けない日本人――「本来的自己」の発見のために――
文庫版付論2 『国民の歴史』という本の歴史
追補一 『国民の歴史』刊行直後に書かれた一読者の感想 柏原竜一
追補二 古代とは何か――西尾幹二著『国民の歴史』に触れながら 小路田泰直
追補三 あれから二十年――『国民の歴史』の先駆性 田中英道
後 記