書籍詳細
内容紹介
執念の鬼と化した人間と人間との、壮絶なる葛藤絵図――美化されてきた〈敵討ち〉を史実にのっとって再構成し、冷徹な筆致で描いた著者晩年の代表作。
解説:池波正太郎・吉田健一
著者紹介
長谷川伸 (ハセガワシン)
1884年、横浜生まれ。小学校を中退し、土木請負業の現場小僧や鳶人足など職を転々として辛酸をなめる。二十歳の時に新聞社に入社、かたわら創作を開始。「沓掛時次郎」などいわゆる「股旅」ものや『日本捕虜志』『日本敵討ち異相』などの史伝物の傑作も多く執筆した。また「二六日会」「新鷹会」といった勉強会を開催し、大衆作家の育成に尽力した。