書籍詳細
内容紹介
自慰行為という悪習によってひきおこされる地獄絵図を、医学的な言説に文学的なイメージをちりばめながら構築した恐怖のヴィジョン『オナニスム』、女性の色情の昂進が行き着く先のおぞましき惨状を、物語的な描写を大胆に導入して鮮烈に描き出した『ニンフォマニア』を収録。『百科全書』からの項目「自慰行為」を付す。
著者紹介
サミュエル=オーギュスト・ティソ (サミュエルオーギュストティソ)
一七二八年スイスのヴォー州生まれ。南仏のモンペリエ大学で医学を修め、一七四九年医学博士号を取得する。その後スイスのローザンヌで開業し、わずかの期間を除けば、その地にずっととどまり、一七九七年に六十九歳で没。『健康に関する人々への助言』、『オナニスム』の二冊の書物は各国で翻訳され、ティソの名を国際的に高めた、当時の大ベストセラーである。
J・D・T・ド・ビヤンヴィル (ジェイディーティードビヤンウ"ィル)
ビヤンヴィルという姓以外は名前も正確には知られておらず、生没年についても1726?―1813?という説や生年不詳―1785などの説がある。オランダで医師としての名声を高めたといわれるが、推測の域を出ない。
阿尾安泰 (アオヤスヨシ)
1954年生まれ。東京大学大学院単位取得満期退学。博士。現在、九州大学教授。専攻、18世紀フランス文学、フランス現代思想。共訳書にルイ・アルチュセール『愛と文体―フランカへの手紙1961―73』(藤原書店)がある。
目次
オナニスム
ニンフォマニア
『百科全書』項目――自慰行為
解説