書籍詳細
内容紹介
デカダンスの底からも“ヨーロッパの再生”を希求し、恋から政治へ、革命から情事へと、ゆれ動く青年ジル。知識人の、大戦間の動乱の歩みをつづる、ドリュの思想と生涯の総決算たる力作。
著者紹介
ドリュ・ラ・ロシェル (ドリュラロシェル)
1893年~1945年。フランスの作家。第一次大戦の兵役から帰還後エッセイ、小説を発表し始める。ヨーロッパを堕落から再生する思想としてファシズムを評価し、対独協力者となった。パリ解放後逮捕状が出たが、潜伏していたパリで自殺する。
若林真 (ワカバヤシシン)
1929年、新潟県生まれ。慶応義塾大学文学部仏文科卒業、同大学院博士課程修了。現在、慶応義塾大学文学部教授。著書-『海を畏れる』(小説)、『絶対者の不在』(評論集)、『二十世紀のフランス文学』(共著)、『現代フランス文学作家作品事典』(共編)。訳書-ジッド『贋金つかい』他13点、モーリヤック『癩者への接吻』、ユルスナール『夢の貨幣』、ロブ=グリエ『快楽の館』ほか。