書籍詳細
内容紹介
ツォルンホフからデンマーク行きのチャンスを求めてロストックへ、1歩行っては2歩退り、リゴドン踊りさながらに、息つく暇もない逃避行は続く……亡命3部作の最後を飾るユーモアと人間愛に包まれた遺作。
著者紹介
L=F・セリーヌ (ルイフェルディナンセリーヌ)
1894年パリ生まれ。パリ大学医学部を経て国際連盟衛生局員となり医療施設の視察団長として世界各地を旅行。退職後パリ郊外の無料診察所の医師を勤めながら1932年『夜の果てへの旅』を発表。その破格な文体と衝撃的内容によって世界の読書界に一大旋風を巻き起こす。不正の象徴としての「ユダヤ人」に鋭い筆鋒を向け、戦後は対独協力作家として投獄される。その死に際しては司祭から葬儀の執行を拒否されるなど「呪われた作家」として生涯を送ったが、サルトル、ミラー、クノーなど、現代の文学者たちに対する彼の影響は測り知れない。
高坂和彦 (コウサカカズヒコ)
1932年、東京生まれ。主要訳書にセルジュ『革命元年』、バルト『エッセ・クリティック』等がある。