書籍詳細
内容紹介
フランス敗戦直後に執筆された第3パンフレット。激烈な筆致はもはや影をひそめ、諦念と侮蔑が彩りを強める。他に『ゼンメルヴァイスの生涯と業績』『ゾラに捧ぐ』『メア・クルパ』『Y教授との対話』等。
著者紹介
L=F・セリーヌ (ルイフェルディナンセリーヌ)
1894年パリ生まれ。パリ大学医学部を経て国際連盟衛生局員となり医療施設の視察団長として世界各地を旅行。退職後パリ郊外の無料診察所の医師を勤めながら1932年『夜の果てへの旅』を発表。その破格な文体と衝撃的内容によって世界の読書界に一大旋風を巻き起こす。不正の象徴としての「ユダヤ人」に鋭い筆鋒を向け、戦後は対独協力作家として投獄される。その死に際しては司祭から葬儀の執行を拒否されるなど「呪われた作家」として生涯を送ったが、サルトル、ミラー、クノーなど、現代の文学者たちに対する彼の影響は測り知れない。
池部雅英 (イケベマサヒデ)
1944年、千葉県生まれ。早稲田大学文学部仏文学科卒業、東京外国語大学大学院仏語学科修士課程修了。現在、信州大学教授。訳書-スリヨ『美学入門』(共訳)、プティフィス『フランスの右翼』、ブラジヤック『七彩』、ポミエ『内なる光景』(共訳)。