国書刊行会

内容紹介

神女、仙人、鬼、化け物、不可思議な人間などに関した奇抜で甘美な物語の一大集成である『聊斎志異』は十七世紀の中国で生まれた。民間伝承に材を得たこの怪異譚集は、その全篇ことごとくが美と不可思議に充ちみち、世界四大奇書の一冊にはじない。本巻は、445篇にもおよぶ『聊斎志異』から精選された14篇と、曹雪芹作の大河小説『紅楼夢』からの二つの挿話を収める支那奇談集である。

著者紹介

蒲松齢 （ホショウレイ）

中国清代の文人。一六四〇年生。科挙に落第し続け立身出世は果たせなかったが、志怪小説「聊斎志異」によって文名を残した。同書の流布本は全一六巻四四五篇から成る。一七一五年没。

中野美代子 （ナカノミヨコ）