書籍詳細
内容紹介
『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』に続く、奔放な空想とユーモアが一体となって絶妙な効果をあげる寓話譚。空洞の鎧に過ぎない"存在しない騎士"アジルールフォが織りなす荒唐無稽な遍歴の物語。
著者紹介
イタロ・カルヴィーノ (イタロカルヴィーノ)
1923年キューバ生まれ。両親とともにイタリアに戻り、トリノ大学農学部に入学。43年、反ファシズム運動に参加、パルチザンとなる。47年、その体験を元に長篇『くもの巣の小道』を発表、ネオ・リアリズモ文学の傑作と称される。その前後から雑誌・機関誌に短篇を執筆し、49年短篇集『最後に鴉がやってくる』を刊行。エイナウディ社で編集に携わりつつ作品を発表、一作ごとに主題と方法を変えながら現代イタリア文学の最前線に立ち続ける。主な長篇に『まっぷたつの子爵』(52年)『木のぼり男爵』(57年)『不在の騎士』(59年)『見えない都市』(72年)『冬の夜ひとりの旅人が』(79年)などがある。85年没。
米川良夫 (ヨネカワリョウフ)
1931年~2006年。早稲田大学卒業。國學院大學名誉教授。訳書にカルヴィーノ「木のぼり男爵」(白水社)、「レ・コスミコミケ」(早川書房)、「見えない都市」(河出書房新社)などがある。