国書刊行会

内容紹介

スモークサウナの闇に灯る炎、湖畔に立つ丸太小屋、ロウリュの蒸気、静寂のなかに交わされる言葉―フィンランド人がこよなく愛し、その精神の根底に根ざすサウナ文化を、歴史・思想・建築・美術・デザイン・食文化など、あらゆる側面から探るビジュアルブック。サウナの歴史的変遷をたどる写真、アルヴァ・アアルトが設計したサウナ図面、トーベ・ヤンソンが過ごした「夏の家」のサウナのスケッチ、フィンランドを代表する画家アクセリ・ガッレン＝カッレラらが描いたサウナ絵画、さまざまなサウナグッズなど、サウナにまつわる貴重な写真・図版が満載。各分野の専門家による解説と合わせて、フィンランドサウナを、さらにはフィンランド文化を知るのに最適な一冊。「フィンランドで訪れるべき公衆サウナ10選」ほか、充実のコラムも収録し、フィンランド旅行のお供にも。

※本書は全国を巡回する同名の展覧会に際して制作されました。
［東京会場］
公益財団法人 ギャラリーエークワッド　2025年12月19日—2026年3月5日
［広島会場］
広島市現代美術館　2026年3月14日—2026年6月28日
［仙台会場］
藤崎　2026年7月10日—7月28日
［富山会場］
富山市ガラス美術館　2026年10月31日—2027年1月24日
［岐阜会場］
岐阜県現代陶芸美術館　2027年4月10日—2027年6月27日
［長野会場］
小海町高原美術館　2027年7月10日—2027年10月17日

著者紹介

アルヴァ・アアルト財団 （アルヴァ・アアルトザイダン）

ギャラリー エー クワッド （ギャラリーエークワッド）

S2 （エスツー）

目次

はじめに　フィンランドのサウナ（サイヤ・シレン）

1 サウナの歴史─その起源から最新式サウナまで（サイヤ・シレン）
　フィンランドサウナの起源　フィンランドサウナの祖─スモークサウナ　外焚式サウナ　金属製ストーブの登場と普及　一九五〇年代以降の発展　電気式サウナ─サウナの自動化　電気式ストーブがサウナに与えた影響　サウナの内装とデザインの変化

❖column
　公衆サウナ（こばやしあやな）
　フィンランドで訪れるべき公衆サウナ10選（こばやしあやな）
　サウナが教えてくれるフィンランド的生き方─アイノ・シベリウス、トーベ・ヤンソン、そしてアルミ・ラティア（岡部三知代）
❖topic
　サウナのつくり
　戦時下のサウナ
　仮設サウナとリメイクサウナ

2 サウナの本質─暮らしを支え、魂を癒すサウナ（サイヤ・シレン）
　多目的な空間─サウナ　サウナと食文化　サウナの秘密─ロウリュ　良いロウリュとは？　サウナの精霊

❖column
　サウナの健康的効用（カリタ・ハルユ）
　サウナトントゥ（迫村裕子）
❖topic
　サウナでの出産
　サウナの平等主義的性質

3 サウナと建築─アルヴァ･アアルトのサウナ（ティモ・リエッコ）
　文化サウナ　パイミオのサナトリウム主任医師用サウナ　マイレア邸のサウナ　ヨキサウナ　ムーラッツァロの実験住宅（コエタロ）のサウナ　コッコネン邸のサウナ

❖column
　コエタロサウナの煙の向こうに、アアルトを想う（坂口大史）

4 サウナと美術─フィンランド絵画に描かれたサウナ（ウッラ・キンヌネン）
　初期フィンランド絵画におけるサウナ　アクセリ・ガッレン=カッレラ　ペッカ・ハロネン　マルッタ・ヴェンデリン

❖column
　物語に生きるサウナ─『カレワラ』から見るフィンランド（石野裕子）

5 サウナとデザイン─飲食と食器、サウナグッズ（カイサ・コイヴィスト）
　サウナとデザイン　サウナでの食事と食器

あとがき　サウナの未来─サウナの変革と進化は続く（リスト・エロマー）
　サウナ文化の世界的広がり　私が思う最良のサウナ　国際サウナ協会（ISA）　技術革新とサウナの未来

関連リンク

東京展（ギャラリーエークワッド）