植木金矢の世界

植木金矢の世界 page 3/4

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 颯爽と現れる正義の剣士! 闇にひらめく白刃の正体! 昭和二八年(一九五三)一二月号の『痛快ブック』に初登場以来、大ヒット連載となったチャンバラ時代活劇「風ふううん雲鞍くら馬ま秘ひ帖ちょう」は、新鮮な....

 颯爽と現れる正義の剣士! 闇にひらめく白刃の正体! 昭和二八年(一九五三)一二月号の『痛快ブック』に初登場以来、大ヒット連載となったチャンバラ時代活劇「風ふううん雲鞍くら馬ま秘ひ帖ちょう」は、新鮮な驚きをもって少年読者たちを魅了し、夢中にさせました。 その作者こそ、当時絶大な人気を誇った劇画師・植うえ木き金きん矢やです。 銀幕の時代劇スターをモデルにした登場人物の息詰まる大決戦、バッタバッタと悪人を斬り倒し画面から飛び出しそうな大迫力の立ち回り、スピード感あふれる抜群の描写力……植木が生み出したこの痛快で新しい絵物語のスタイルは、劇画の草分けのひとつとして認められるものです。 『痛快ブック』で不動の人気を得た植木は、その後も『ぼくら』『少年画報』『冒険王』『幼年ブック』等、人気少年雑誌に作品をつぎつぎと発表しました。特に登場人物を銀幕の時代劇スターの似顔絵で描いた絵物語は、従来の絵物語の枠を超えたもので、この独特の世界によってひとつの時代を築き上げました。 さらに、昭和三九年(一九六四)には、『別冊週刊漫画TIMES』に「くノ一無惨」を発表し、青年劇画の世界へ進出しました。人の世の無情と不条理をえぐり出しながらも、一貫して品性を保った作風を特徴とし、正義を追究した劇画で独自の画境を確立しました。 九〇歳を迎えた現在も、日本画やオリジナル映画ポスターなど、新たな創作に挑戦し続ける植木金矢。本書では、チャンバラ時代活劇や挿絵、入魂の劇画群を中心に、デビューから現在までの画業の軌跡をご紹介いたします。はじめにペンネームについて?ペンネームは主に植木金矢を使い、本名の寺てらうち内鉄てつ雄おの他、最も上がみ元げん、最上三さぶろう郎、ゲン最上、寺内新しん、山やまがた形節たかし、川かわぐち口元げんきょう郷、大だいどう道寺じ鉄てつを使いわけている。 デビュー当時から使用している「植木金矢」は、デビュー雑誌『面白講談』の編集長が命名した。苗字は住所の「植木」から取り、名前は本名「鉄雄」の「鉄」を分割して「金矢」とした。 また、最上元の「最上」は、植木の故郷・山形を流れる最上川から、 川口元郷は第二の故郷・川口の地名から取った。「寺内新」「大道寺鉄」「最上三郎」はいずれも編集者がつけたもので、自ら進んで使用することはほとんどなかった。