サタンタンゴ

サタンタンゴ

クラスナホルカイ・ラースロー 著
早稲田みか 訳

発売日 2026/06/22

判型 四六判   ISBN 978-4-336-07878-0

ページ数 368 頁   Cコード 0097

定価 2,970円 (本体価格2,700円)

【内容紹介】

2025年度ノーベル文学賞を受賞したクラスナホルカイ・ラースローのデビュー作にして代表作。

ハンガリーのある寂れた農場で、住人たちはかつての村のリーダーが戻ってくるという知らせを受ける。彼らは居酒屋に集い、酔って踊ったり、牽制しあいながら男の帰還を待つ。ある人妻はこの来訪を不遇からの救いとみなし、ある男はこの英雄に疑いのまなざしを向ける。

泥濘に沈む村を舞台に、死んだはずの男の帰還が見捨てられた人々を狂乱の渦へと突き動かす。
永遠に続くかという雨の中、裏切りと救済、陰謀と悲劇が交錯する。
終わりのない強靭な文体が描く、絶望の果ての光とは。
タル・ベーラ監督により映画史に残る7時間の叙事詩に変容された、空前絶後の傑作。
2014年ベスト・トランスレイテッド・ブック・アワード、2015年マン・ブッカー賞受賞。

【書評の一部】
「終末的な恐怖の渦中で芸術の力を再確認させる」——ノーベル文学賞選考委員会

「現代ハンガリーの黙示録的な巨匠」—— スーザン・ソンタグ

「クラスナホルカイのビジョンの普遍性は、現代文学の小さな関心事をはるかに上回っている」——W・G・ゼーバルト

「その時、私は思ったのです。何かを書かねばならない。もっと深い層における「世界」そのものについて書かねばならないと」
——クラスナホルカイ・ラースロー(2012年8月24日、『ガーディアン』紙)


装丁:松本久木

【著者紹介】

クラスナホルカイ・ラースロー

1954年、ハンガリーのジュラ生まれ。編集者を経て1985年に小説『サタンタンゴ』でデビュー。現代ハンガリー文学を代表する作家の一人として、作品は世界40か国語以上に翻訳されている。日本とは関係が深く、2度の長期滞在で日本の伝統文化に関心を持ち、作品の重要なモチーフになっている。著書に『抵抗の憂鬱』(1989年)、『戦争と戦争』(1999年)、『ジェムレは去った』(2024年)など。受賞歴として、ベスト・トランスレイテッド・ブック・アワード(アメリカ、2013年・2014年)、マン・ブッカー賞(イギリス、2015年)、全米図書賞翻訳文学部門(アメリカ、2019年)など。2025年、「終末的な恐怖の渦中で芸術の力を再確認させる、説得力と先見性のある作品群」によりノーベル文学賞を受賞。邦訳に『北は山、南は湖、西は道、東は川』(早稲田みか訳、松籟社)。

早稲田みか (わせだ・みか)

大阪大学名誉教授。専門はハンガリー語学。
訳書にナーダシュ・ペーテル『ある一族の物語の終わり』(簗瀬さやか共訳)、クラスナホルカイ・ラースロー『北は山、南は湖、西は道、東は川』(以上、松籟社)など。