ニカワヘノマナザシ
膠へのまなざし
内田あぐり 監修
発売日 2026/06/12
判型 B5変型判 ISBN 978-4-336-07870-4
ページ数 208 頁 Cコード 0071
定価 4,180円 (本体価格3,800円)

【内容紹介】
古くから絵画をはじめ建造物や工芸品、楽器などの接着剤として世界中で使用されてきた膠(にかわ)。その原料は動物資源であり、私たちの生活や文化に深く通底している。しかし今日において、伝統的な手工業による膠の生産は途絶えてしまっている。膠という伝統素材を後世に引き継いでいくため、膠の原料や支持体となる手漉き和紙と墨の作り手、さらには保存修復の専門家や老舗画材店など全国各地を取材。また、膠が現代においてどのように用いられているのかを示すため、37名の現代作家による新作を中心とした作品と、膠にまつわる書き下ろし文章を収録。加えて巻末には、研究者による書き下ろし論考も収録。
自然と表現が互いに応答するその文化の源流を辿りながら、新たな膠へのまなざしを照らし出す。
オールカラー。
◆膠(にかわ)
動物の皮や骨から生成されるゼラチンを主成分とする接着剤。日本では主に皮革製品の皮屑が使用されている。古代壁画や原始絵画の時代から使用され、日本画制作においては画面と絵画を接着するものとしてなくてはならない重要な素材である。
【第1章 膠の姿とその所作】
膠の原料や支持体となる手漉き和紙と墨の作り手、さらには保存修復の専門家や老舗画材店への取材ドキュメントを収録。
【第2章 膠と表現、37考】
膠が現代においてどのように用いられているのかを示すため、37名の現代作家による作品と、膠にまつわる書き下ろし文章を収録。日本画家のみならず、油彩画家、彫刻家など、領域や世代を超えた作家たちによる多彩な表現が一堂に会す。
【第3章 膠をめぐる論考】
■本書に関連して、本書の内容を元にした展覧会が開催されます。
膠へのまなざし——再考、そして応答
[東京展]髙島屋日本橋店 本館六階 美術画廊、美術画廊X
2026年6月3日(水)—15日(月)
[大阪展]髙島屋大阪店 六階 美術画廊
2026年7月8日(水)—13日(月)
[京都展]京都場 KYOTO-ba
2026年7月25日(土)—8月23日(日)
主催:株式会社髙島屋
監修:内田あぐり
【著者紹介】
内田あぐり (ウチダアグリ)
1949年、東京都に生まれる。画家。1975年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻日本画コース修了。1975年創画会賞(87年、91年)、1993年第12回山種美術館賞展で大賞受賞、同年に文化庁在外研修員としてフランスに滞在。2002年第1回東山魁夷記念日経日本画大賞受賞。2003年〜04年、武蔵野美術大学在外研修員としてイギリスとアメリカに滞在。2019年神奈川文化賞、2021年第2回JAPA天心賞大賞受賞。
近年の個展には、「内田あぐり――化身、あるいは残丘」(武蔵野美術大学美術館・図書館、2019年)、「生命のリアリズム:珠玉の日本画」において「特集展示 内田あぐり」(神奈川県立近代美術館 葉山、2020年)、「内田あぐり VOICES いくつもの聲」(原爆の図丸木美術館、2020年)、「内田あぐり 在 Existence」(佐喜眞美術館、2022年)、「内田あぐり 氾 Fluxes」(浜松市秋野不矩美術館、2024年)、「内田あぐり 安里/積層」(髙島屋日本橋店、2025年)など。
今日まで一貫して「身体」をテーマに、絵画において人間の存在を示すものとは何かという根源的な問題に向き合う一方で、古典的な技法だけにとらわれず様々な表現方法を先鋭的に用いた作品は、現代絵画として新たな日本画の可能性を切り拓き続けている。
現在、武蔵野美術大学名誉教授、金沢美術工芸大学客員教授。