キョウフショウヘンシュウキョウジテンン
恐怖症・偏執狂辞典
世にも奇妙な99の妄想の歴史
ケイト・サマースケイル 著
田内志文 訳
発売日 2025/12
判型 四六判変型 ISBN 978-4-336-07791-2
ページ数 304 頁 Cコード 0022
予価 2,970円 (本体価格2,700円)

【内容紹介】
数々の文学賞に輝く英国のベストセラー作家が、99個の恐怖症と偏執を辞典形式で紹介する、人間の「恐れと狂気」についての読む辞典。
中世から現代に至るまで、人々の中に現れた恐怖症と偏執を取り上げ、人間の進化に根づく発達として扱う。また、それらがいかに時代の文化や政治、医療と交差してきたかを、ユーモアと洞察を交えて描き出す。
登場する恐怖症や偏執は、深刻な症例から想像もつかない誕生秘話までバラエティ豊か。過剰な潔癖を求める(不潔恐怖症)、スマートフォンを忘れて不安にかられる(携帯電話依存症)、本を大事にしすぎる(愛書狂)など、私たちの日常に潜む恐怖や執着は、個人的なものでありながら、実は時代や社会によって作られたものでもある。
心理学・文化史・社会学・言語史を横断する視点から社会のかたちが見えてくるとともに、著名人や作家などの事例もとりまぜ、歴史の意外な背景を知ることができる。工夫されたビジュアルとあわせて楽しめる一冊。
【登場する症例の一部】
人を不快にさせる感触――毛皮恐怖症、原綿恐怖症、集合体恐怖症etc.
人々を駆り立てる集団的熱狂――悪魔憑き、ビートルマニア、富豪狂etc.
動物に対する恐怖――蛙恐怖症、猫恐怖症、蜘蛛恐怖症etc.
強迫的な偏執――計算癖、色情症、放火狂、殺人狂etc.
飲食物に対する嫌悪――卵恐怖症、ポップコーン恐怖症etc.
本書は、本国イギリスのほか世界各国で翻訳出版されている。フランス、ギリシャ、イタリア、中国、台湾、韓国、ポーランド、トルコ、スペイン、エストニア、ブラジル、タイ、ポルトガル、ドイツなど多数!
【海外書評の一部】
「人間心理に関する有益で機知に富んだ視点がユニークで魅力的」(カーカス・レビュー誌)
「恐怖と狂気を社会・文化・医療の歴史を通じてたどる魅力的な辞典」(ガーディアン紙)
装幀:コバヤシタケシ
【著者紹介】
ケイト・サマースケイル
ロンドン生まれ、幼少期を日本とチリで過ごす。さまざまな新聞や雑誌で勤務した後、2005年に『ウィチャー氏の疑惑』を発表して作家デビュー。これまで数々の文学賞を受賞し、現在はブッカー賞を含む文学賞の審査員、王立文学協会フェローを務める。イギリス在住。
著書に『ネヴァーランドの女王』(新潮社)、『ホエール・ケイの女王』(サマセット・モーム賞)、『最初の刑事』(早川書房、サミュエル・ジョンソン賞ほか)、『邪悪な少年』(エドガー賞ベスト・ファクト・クライム賞)、『アルマ・フィールディングの亡霊』(ベイリー・ギフォード賞ノンフィクション部門最終候補)など。
田内志文 (タウチ・シモン)
文筆家、元スヌーカー選手、シーランド公国男爵。翻訳書にジョージ・オーウェル『新訳 動物農場』(近刊、角川文庫)、ジョン・コナリー『失われたものたちの本』(創元推理文庫)、エドワード・W.バートン=ライト『シャーロック・ホームズの護身術バリツ』(平凡社)など多数。主な偏執に蒐集癖、誇大妄想狂がある。